阪神・北條 執念の同点2点打 同学年・近本の大記録飾った

 「阪神3-2広島」(6日、甲子園球場)

 決してクリーンヒットではない。だからこそ見るものの心を揺さぶった。同学年・近本の快記録達成となる安打で始まった、四回2死からの反撃。満塁で迎えた打席で、阪神・北條が執念の一打を放った。

 マウンドには阪神戦、今季3戦3勝の天敵・床田。「めっちゃ詰まったんで、手が折れたかなと思いました(笑)」。内角高めに来た152キロ直球を振り抜くと、思いが乗り移った打球が左翼前にポトリと落ちた。

 沸きに沸く甲子園。ベンチ前では矢野監督が破顔で両手を挙げて“矢野ガッツ”を決めて喜ぶ。塁上では“へへっ”とばかりに、北條が実に“らしい”笑みを浮かべた。

 この日は「6番」でスタメン出場。試合前に近本から「ツーアウト満塁とか、プレッシャーがかかる場面で回ってくるぞ」とイジられていたという。「いらんこと言いやがってと思いながら…。打席に入る前にもアイツがサードランナーで、めっちゃ笑っていたんで、何笑ってんねんと思いながら。打たれへんかったら、アイツのせいにしようと思っていた」。そう笑わせた後に「マジでうれしいです!」と今度は会心の笑みを浮かべた。

 木浪、中野と次々にライバルが入団。2016年の122試合をピークに年々、出場数が減っていた。近年はケガに泣かされ、昨年は立て続けに左肩、左腕を負傷し、「左関節鏡下肩関節唇形成術」の手術も経験。10年目の今季は「試合に出られないと、この世界にいられない」と決意を胸に挑んでいる。

 この日の試合前も、通常練習前の早出特打で振り込んだ。そんな姿勢を西勇に褒められたお立ち台では、「規則正しい生活は、ああいうヒットにつながるなと思います」と笑わせた。悲壮感を抱かせない明るさもまた、北條史也という男の魅力である。

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