「阪神７－５ＤｅＮＡ」（１７日、甲子園球場）

　電光石火でノーヒッターの今永を攻略した。阪神は１点先制を許した初回に６番・糸原、７番・山本の連続適時打で一挙４得点。試合開始早々から漂っていた嫌な雰囲気を２本の快音で振り払った。

　反抗ののろしを上げたのは糸原だ。２死満塁で内角直球をうまく肘をたたんでミート。鮮やかに流し打った打球は左前に弾む逆転２点適時打となった。「チャンスは少ないと思っていたので、それが初回に来て、絶対打ってやろうという気持ちでした」。序盤の勝負どころで燃えた闘争心。執念の一振りで、試合をひっくり返した。

　今季の交流戦では、完全試合を達成したロッテ・佐々木朗から２安打を放ち、ノーヒットノーランを記録したソフトバンク・東浜からも１安打をマーク。“ノーヒッターキラー”として躍動した勢いは、リーグ戦再開後も衰えていなかった。

　続く２死一、二塁では、山本が初球のチェンジアップを捉えて貴重な追加点となる左越え２点適時打。初回に自らの失策がきっかけとなって相手に得点を許したが、それを帳消しにする一打。怒濤（どとう）の反撃で、一気に試合の主導権をたぐり寄せた。

　「しっかり明日につながると思う。明日も勝てるように、チームみんなで頑張りたい」と糸原。ノーヒッター討伐の立役者となった２人が、チームを上昇気流に乗せる。