阪神上位浮上のカギは得点力の向上 佐藤義則氏「1試合4、5点取りにいく野球を」キーマンは佐藤輝

 阪神が交流戦で息を吹き返した。12勝6敗の好成績で終え、交流戦前に12あった借金は6に半減。順位も最下位を脱出して4位に浮上した。3位・広島にも2ゲーム差と迫り、17日からのリーグ戦再開を迎える。デイリースポーツ評論家の佐藤義則氏(67)が上位浮上のカギは得点力のアップに懸かっているとし、キーマンに4番・佐藤輝を挙げた。

  ◇  ◇

 交流戦はいい戦いを見せたね。投手陣もよく頑張ったけど、何よりも攻撃で点を取れるようになったことが大きい。1番に島田が入り、近本、佐藤輝、大山のクリーンアップも当たりが出た。特に大山は本塁打と打点の2冠と見事な活躍だった。最後のオリックス3連戦でも自分の得意なコースである外角の半速球をしっかりとひと振りで仕留めることができていた。以前は打ち損じも多かったが、いまは調子がいいだけに相手の配球の読みもできているのだろう。「内角には来ない」と読んで上での打ち方ができていた。

 投手陣が安定しているだけに、打線がそこそこ打てば、これぐらいの戦いはできるということ。なんといっても開幕前は優勝候補の筆頭に挙げられていたチームだからね。開幕戦線で大きくつまづいて、こんなことになってしまったけど、それだけの戦力はそろっているわけだから。

 17日からのDeNA3連戦でリーグ戦が再開する。打線に求められるのは、1試合4、5点を取りにいく野球だ。交流戦ではかなりバントを多用するようになったけど、交流戦前の戦いで疑問に感じたのは送りバントの少なさだった。走者を確実に次の塁に進める攻撃ができれば、これほど得点力不足に苦しむことはなかった。

 仮にバントのサインが出なかったとしても、打者もなんとか走者を次の塁に進める打撃に徹するべきだが、簡単に打ちにいってフライアウトというシーンが目についた。状況判断ができていないと感じることが多かった。リーグ再開後も交流戦のいい流れを継続していってほしい。

 相手先発が左投手で来た時に、どのような打順を組むかというのも課題だろう。宮城が先発したオリックス戦(12日)は、山本が1番に入って3安打したけど、北條、小野寺ら右打者の層は左打者に比べて薄い。DeNA3連戦では先日、ノーヒットノーランを達成した今永が登板してくる。起用された右打者が活躍すればそれに越したことはないが、左投手だからといって、あえて右打者を並べなくても、状態に応じて糸原、糸井ら実績のある左打者を使ってもいいのではと感じる。

 上位浮上のキーマンを挙げるとすれば、やはり佐藤輝になるだろう。確かに交流戦でも当たりは出ていたが、打っているのが遅い変化球が多いというのが気になる。やはり速い球を打たないと打率も上がってこない。速い球を打てれば変化球も多くなり、必然的に自分の得意な球も来ることになるが、まだ直球で攻められてカウントを悪くして、最後は落ちる球で空振り三振というシーンも多い。

 大切なのは強引に長打を狙わないことだ。大きい当たりばかりを狙っていると徐々に打撃も崩れていく。彼の場合は強振しなくても、きちんとミートできれば打球は勝手に飛んでいくのだから力んで打ちにいくことはない。走者がいる時はしっかりと打点を稼ぐ打撃に徹して、2死走者なしで打席に入った時なんか一発を狙えばいいんじゃないかな。

 オリックス3戦目では右翼席上段に特大の一発を放ち、自己最多の6打点をマークした。これで少しは気持ちも楽になっただろうし、リーグ戦にもいい状態で入っていける。これまでとは違ったものが出てくるんじゃないかという期待はある。

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