阪神・藤浪 聖地沸いた1回1K0封 昇格即今季初リリーフ登板 最速158キロ計測

 「阪神0-2西武」(31日、甲子園球場)

 おかえり-。そう言わんばかりの万雷の拍手が聖地に注がれた。阪神・藤浪が4月8日・広島戦以来となる1軍マウンドへ。最速158キロを計測するなど1回を無失点に抑えた。

 「投球自体はあまり良くなかったですが、拳弥(長坂)にも助けられながら抑えることができました」

 0-2の九回に登場。藤浪の名前がコールされると、聖地が揺れた。1球ごとに拍手が起こる中、先頭・外崎は9球を要しながらも外角低めカットボールで空振り三振。滝沢には四球を与えたが、続く岸へのワンバウンドした3球目を捕手・長坂が止め、飛び出していた一走・滝沢をアウトに仕留めた。同学年の女房役にも助けられ、最後は岸を156キロ直球で二ゴロに。場内からは再び大きな拍手が送られた。

 今季は1軍で3試合に先発したが0勝1敗で、4月13日に新型コロナウイルス陽性判定を受けて離脱。その間に1軍ローテが固まっていたこともあり、約1カ月半の2軍調整を余儀なくされた。開幕前から先発へ強いこだわりを示していたが、今回は中継ぎとしての起用。それでも「言われた仕事をするだけです」とチームのために腕を振る。矢野監督も「一回投げてくれて、落ち着いてくれたら」と今後に期待した。

 うれしい出来事を力に変える。親交のある武豊が5月29日に史上初となる50代で6度目のダービー制覇。祝福のメッセージを送ったといい、「年齢もそうですし、豊さんの話をよく聞かせてもらうんですけど、すごい経験されてる方。メンタルのこととか教えてくださるので、すごく尊敬してます。刺激になりますし、自分のことようにうれしかったです」と喜びを明かした。

 「次回登板に向けてしっかり準備して、良い投球ができるように頑張ります」と背番号19。この男なら流れを変えられる。多くの虎党がそう信じている。

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