阪神・佐藤輝 キング並んだ先制V6号2ラン!セ界制覇弾「手応えありました」

 「ヤクルト3-11阪神」(24日、神宮球場)

 早くもセ界を制覇した。阪神・佐藤輝明内野手(23)が初回、右越えにリーグトップに並ぶ先制の6号2ラン。今季5球団目からの一発で今季最多11得点の猛攻を呼び込み、今季初のビジターカード勝ち越しを導いた。両肩に背負う借金はまだ重いが、1個ずつ着実に減らしていく。

 完璧な発射角度で白球が神宮の空に向かって飛んでいくと、両手でバットを握り締めたまま佐藤輝は確信歩きを始めた。雨粒を切り裂く超弾丸ライナー。強烈な爆発音を残した打球がスタンドに吸い込まれた。

 「先制点が欲しい場面だったので、初球から思い切って振っていこうと思っていた。打った瞬間、手応えはありましたし、甘い球を一球で仕留めることができて良かったです」

 積極果敢に振り抜いた。初回1死一塁。金久保が投じた143キロ直球を強振。右翼席に一撃が突き刺さると、悠々とダイヤモンドを一周。ベンチに戻ると矢野監督から虎メダルを贈呈され、柔和な表情を浮かべた。

 リーグトップタイの6号2ランで今季、早くもセ・リーグ全球団から本塁打をマーク。6カード連続のアーチでプロ通算30本塁打目ともなったが、直後に中野の1号2ランが飛び出すと、両手を挙げて自身の本塁打以上に喜ぶ姿が見られた。中野とのアベック弾は昨年5月4日・ヤクルト戦以来。「神宮好きなのかなという感じですね」とまたも神宮で達成だ。

 25日に父・博信さんが55歳の誕生日を迎える。昨年は同日に祝砲の一発を放ったが、今年は25日に試合がない。それでも前祝いのアーチを届け、博信さんも「家族思いな子です」と遠く離れた関西から躍動を喜んだ。

 昨季は満開の桜が咲く神宮で開幕戦を迎え、その日に本紙を通じて中3の時に受け取るはずだった父からの手紙を目にした。当時、目標を見失いかけた佐藤輝に対する親心、夢を持つ大切さがつづられた直筆の手紙。初めて存在を知った背番号8の心にも響いていた。「苦しくなったらこの手紙を見よう」-。手書きのエールは、心の支えになっている。

 今季最多11得点の快勝で、ビジターでは初の勝ち越し。26日からは甲子園に戻って、中日3連戦。「ここ最近は打つべき球を打てている」と自信を漂わせる佐藤輝が、聖地でも勝利に導く豪快な花火を打ち上げる。

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