阪神・小野寺 プロ初タイムリー 四回代打で虎唯一の反撃イニング
「阪神3-13ヤクルト」(9日、甲子園球場)
大敗の中、希望の光をともした。一塁上で力を込めて、右拳を突き上げた小野寺。「今まで全然チームの力になれていなかったので、ホッとした」。うれしいプロ初適時打でプロ初打点を挙げた。
出番は6点を追いかける四回2死一、二塁だった。絶対に諦めない。1-2と追い込まれながら、バットを少し短く持ち、気持ちで148キロの速球を左前へ運んだ。この日の初得点に虎党も立ち上がって、拍手を送る。その音を全身で感じながら、塁上で「よっしゃ」とつぶやいた。
出場14試合目、26打席目で飛び出したタイムリー。「2軍で練習してきても、やっぱり1軍の真っすぐで三振してしまうという場面もあった」。速い直球へのアジャストを課題としていただけに、力ある速球を捉えたことにも価値がある。猛暑の中、鳴尾浜でバットを振り込んだ努力が、実を結びつつある。
矢野監督も「最初から振りにいった、いい打撃だったんじゃないかな」と、初球から積極的にスイングした姿勢を評価した。
勝負の9月。やはり、厳しい戦いは続いている。「スタメンじゃなくても、守備固めや代走、代打、全てでチームに貢献できるようにやっていきたい」。窮地の時こそ、小野寺暖の存在が必要だ。ベンチでもグラウンドでも、虎の元気印は職務を全うする。