阪神・ドラ2伊藤将 首位陥落危機救った!矢野監督の直ゲキ効いた7回2死満塁斬り

 1回、小園を一塁ゴロに打ち取りベースカバーに走る伊藤将(撮影・田中太一)
 7回、ピンチを迎えた伊藤将のもとへ駆けよりげきを飛ばす矢野監督(右から3人目)
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 「広島0-5阪神」(3日、マツダスタジアム)

 阪神のドラフト2位・伊藤将司投手(25)=JR東日本=が、7回無失点の好投で5勝目を挙げて連敗を止めた。2点リードの七回2死満塁では、就任後初めてマウンドに向かった矢野監督から声をかけられると、期待に応えて得点を許さなかった。2位・巨人も勝利してゲーム差は1・5のまま。負ければ首位陥落となっていた中、連敗の重いムードも断ち切る快投で、価値ある勝利を呼び込んだ。

 時折雨が激しく降り、蒸し暑さも体力を奪う悪条件下で試合が進んだ七回。投球数が100球に迫るなか、伊藤将の心身はともに限界が近づいていた。安打と死球で走者を背負い、2死一、三塁からは、石原にストレートの四球を与えて満塁のピンチを迎える。

 点差は2点。長打で一気に逆転もある場面で広島ベンチが代打・松山を送った。ここで矢野監督がベンチを出る。投手交代か…と思われたが、指揮官が小走りで向かった先はマウンドだった。

 「思い切っていけ。お前に任せた!」

 矢野監督就任3年目で初となるマウンドでのゲキが飛ぶと、硬かった伊藤将の表情が一瞬ふっと和らいだ後にグッと引き締まる。期待に応えて松山を二ゴロに仕留めると、試合中にはあえて感情を出さないようにしている男が、思わずグラブを左手でポンッと叩いて喜びを爆発させた。

 「監督さんの一言を頂いて、自分もそこで引き締まった。ああいうピンチでしっかり自分の投球ができて本当に良かったです」

 学生時代から練習時も黙々と一人でランニングをするようなタイプだった。JR東日本の坂上投手コーチも「チームが沈んでいる時でも連勝でいい雰囲気の時でも、そういうものに左右されずに一人目標へ向かって淡々とやるようなタイプでしたね」と明かす。

 7回無失点でチームの連敗を止める5勝目。淡々と仕事をこなすルーキー左腕が、負ければ首位陥落となっていた危機を救った。「やっと貢献できたなというのもありますし、これからどんどん波に乗っていきたい」。規定投球回にあと1回1/3と迫る中で、防御率はリーグ2位に当たる2・23を誇る。

 この日の指揮官のマウンド上のゲキが、ターニングポイントになるかもしれない。直後の八回。ここ数試合、そしてこの試合でもあと一本を欠いていた打線が、突然息を吹き返したかのように3本の適時打を放った。前半戦終了前の正念場を乗り切るためにも、まずは連勝で3カードぶりの勝ち越しを狙う。

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