阪神ドラ2伊藤将 救世主や!初対外試合1回1安打0封 独特フォームでいきなり好投
「練習試合、ヤクルト3-4阪神」(2月28日、ANA BALL PARK浦添)
これは“救世主”になり得る素材やで!阪神のドラフト2位・伊藤将司投手(24)=JR東日本=が28日、練習試合・ヤクルト戦(浦添)で対外試合初登板。4番・村上に中前打を打たれたものの、1回を1安打無失点と上々の投球を見せた。仕上がりはまだまだ途上ながら十分に合格点を与えられる内容。高橋、西勇が順調さを欠く中、即戦力左腕が阪神の先発陣を救ってみせる。
本調子にはまだまだの仕上がり。そんな状態ながら即戦力の評判にたがわぬ投球を披露した。「少し緊張しました」。登板後に発した言葉とは裏腹に、伊藤将は落ち着いたマウンドさばきで淡々と投げ込んでいった。
六回に4番手で登板。宮本をインハイへの直球で空振り三振に斬ると、打席に迎えたのは強打者・村上。ここでも物おじすることなく、まずは直球を投げ込んだ。2球で追い込むもその後はファウルで粘られ、最後は抜いたカーブを中前に運ばれる。「厳しいコースもファウルで粘ってくる。レベルの高さを感じました」と素直な印象を語った。
軍配は村上に上がったが、直球2球で追い込んだシーンに広島の岩本スコアラーは変則左腕の特徴を見たという。「突然球が来る印象なのかなっていうのが(打者の)反応を見て感じた。村上は1球目、2球目の見逃しはあまりないバッター。見てしまうっていうのは、そういうところがあるのかな」
右手を高々と上げ、左の腕が遅れて出てくるような特徴的な投球フォーム。続く荒木が中飛、西浦が遊飛。ともにタイミングを崩して、フライを打ち上げさせた結果にも真骨頂を見た。
それでも「試運転としては良かったけど、もっといいときを見ているんでね。もっと上がってくる」と矢野監督。疲れが出た中盤に一度調整のペースを落としており、ようやくキャンプ最終戦での登板にこぎ着けたという状態。その中でも1回無失点と結果を出したのだから実に頼もしい。
高橋、西勇が順調さを欠いている。特に阪神先発陣にとってチェンとともに伊藤将は貴重な左腕だ。「最後に登板ができて良かった。先発ローテに入れるように頑張っていきたい」。今後はイニング数を伸ばしながら状態を上げていく。
内外に投げ分ける制球力に、キレのある直球、カーブ、カットボール、ツーシーム、チェンジアップと多彩な変化球で緩急をつける。仕上がりが進むとともに、さらに本来の投球に近づけば、開幕ローテの救世主となることも夢ではない。