「プロアマ交流戦、阪神１０－２大商大」（５日、鳴尾浜球場）

　虎の『明るい未来』を目の当たりにして、矢野監督が声を弾ませる。「すぐ（シーズンで）使うっていう選手ではないにしても、やっぱ楽しみがあるっていうのはいいね」。初めてプレーを直接見る指揮官の前で、ルーキーが次々と躍動した。

　九回の攻撃だ。まずは無死二塁で代打に立ったドラフト２位の井上（履正社）が追い込まれた後の１４０キロ直球を逆方向にはじき返す右越え適時二塁打。続く代打のドラフト４位・遠藤（東海大相模）が右前打で好機を広げ、八回の第１打席でバックスクリーン弾を放っている育成１位・小野寺（大商大）が中前適時打。さらに代打のドラフト５位・藤田（中京学院大中京）も中越え適時二塁打。胸が躍る、ルーキー４人衆が紡いだ猛攻４点だ。

　矢野監督は試合後、井上、遠藤、藤田の３選手を７日の日本ハム戦、８日の巨人戦で１軍に帯同させることを明かした。「今日もみんな、中身がすごくしっかりしたものが出ていたので、すごい楽しみやし、見たいよね」と目を細める。

　７、８日に１軍に帯同する井上は「自分のアピールポイントであるバッティングをアピールしたい」と意気込む。同じく２日間で昇格する遠藤も「ひたむきにストレートを振っていく」と表情を引き締め、８日に昇格する藤田は「ワクワクしますね」と頬を緩めた。

　「１軍の雰囲気とか投手とか、いろんなことで新たな課題や目指すところをはっきりさせるいい経験になると思う」と矢野監督。３人ともに昨夏の甲子園以来となる聖地でのプレー。開幕１軍を奪い取る立場にはないが、しっかりと“爪痕”を残したい。