高山 V撃“前記録保持者”の意地 打者一巡!逆転CSへ魅せた10人猛攻撃

 3回、中前へ2点適時打を放つ高山
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 「DeNA2-9阪神」(5日、横浜スタジアム)

 両腕に確かな感触を残しながら、踏み出した足にスタンドの熱気を感じた。連敗だけは許されない。阪神の高山が、チームとファンの思いを乗せてバットを振り抜く。左翼スタンドから注がれる歓声。試合の主導権を握る一打は、高山が放った。

 両軍無得点で迎えた三回、1死満塁で第2打席が巡ってきた。「気持ちは入っていました」と高山。それもそのはずだ。初回は2死満塁の絶好機で三ゴロに凡退しており「さすがに2回(好機を)つぶしたらヤバいと思っていた」。期する思いを込めて大貫の初球を捉えると、鋭い打球は中前へ抜けた。先制の2点適時打が口火となり、6月2日の広島戦(マツダ)以来、今季2度目の1イニング6得点となった。

 先頭で迎えた6点リードの九回は、カウント2-1から三嶋の外角直球をうまく左翼線へ運び、好機を演出。「自分の中では2本目が出たことの方が大きいです」と試合後は手応えを口にした。この日はチームメートのルーキー・近本が、最多安打の球団新人記録を更新する137安打をマーク。16年に自身が保持していた136本を越えた夜でもあった。

 後輩の偉業について「勝った試合で出たというのは良かった」とうなずいた。だが、同じ左打ちの外野手で、それもドラフト1位。定位置を争うライバル関係もある。「ヒットだけじゃないですけど、走攻守、全部で負けないように頑張ります」と刺激を受けながら闘志を燃やした。

 先輩としての意地が、背番号9を突き動かす。かつて虎を席巻したヒットメーカーの必死の思いが、ここぞの場面で快音を響かせ、チームを勝利に導く。きょう6日からは3位・広島と直接対決。近本だけではない。俺もいる。高山が輝きを放てば、猛虎はもっと強くなれる。

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