矢野監督 打線テコ入れ決断 22イニング連続無得点4位転落
「DeNA4-0阪神」(2日、横浜スタジアム)
負の連鎖が止まらない。今季ワーストを更新する22イニング連続無得点で2試合連続の完封負け。2度の満塁機を生かせず4連敗で4位に転落。首位・巨人とのゲーム差は今季最大の6・5差に広がった。低迷が続く現状に阪神・矢野燿大監督(50)は打線のテコ入れを明言。出でよ、救世主-。
選手は首をかしげ、天を仰ぐ。左翼席を埋めた阪神ファンも、チャンスを逃すたびに意気消沈した。今季ワーストの22イニング連続無得点で2試合連続完封負け。4月30日以来の4位転落。矢野監督は受け入れがたい現状を整理しながら、苦しい胸の内を明かした。
「(打線が)何とかしてやってくれよという思いと、もちろん監督としても何とかせなあかんし。打者陣が何とか点を取らないと」
今季はこの試合まで横浜スタジアムでは5勝1敗。打線は打ち勝ってきた球場でも、悪循環に陥った。
決定力不足が浮き彫りとなった場面があった。1点を追う五回。無死一塁から高山、木浪が三振後、西が左前打を放って2死一、二塁とした。
続く近本は空振り三振後に振り逃げで2死満塁。一打逆転の場面だったが、糸原のバットも上茶谷のチェンジアップに空を切った。16年5月24日・ヤクルト戦以来となる1イニング4三振。相手にもらったチャンスも生かせなかった。
六回も2死満塁の好機を生かせず、リーグ戦再開から3試合でわずか1得点。不振は深刻だ。矢野監督は打開策として、3日・DeNA戦からの打線組み替えを明言した。
「明日はいろいろ入れ替えようかなと思っている。現状、状態も良くないから点を取れないんだけど、ムードもなかなか変化がないんでね。変化を持たせるというところでも考えようかなと」
近本は打率3割を切った6月11日以降の15試合で打率・095とチャンスメークができていない。交流戦終盤から好調な糸井、5試合連続安打中の大山らの前に走者を置く確率を上げる打順を組むことになりそうだ。
今季4度目の4連敗。これ以上、同じ失敗は繰り返せない状況となった。首位・巨人とは6・5ゲーム差。過去5度のリーグ優勝で、最大の逆転優勝は64年の6・5ゲーム差だ。データ上は崖っぷちに追い込まれた。
八回に4点差に広げられると、左翼席には席を立つファンも目立った。矢野阪神はファンを喜ばせることが最大目標。苦境を打開する意地が見たい。