メッセンジャー2年ぶり完投で復活星 4カード連続勝ち越しで首位と2.5差

 完投勝利を挙げ、捕手・梅野(左)とタッチを交わすメッセンジャー
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 「阪神5-1DeNA」(4日、甲子園球場)

 愛する子供たちの前で、完全復活を遂げた。右上腕打撲で離脱していた阪神のランディ・メッセンジャー投手(37)が、復帰登板を2年ぶりの完投勝利で飾った。中14日のブランクを感じさせない力強い投球を披露。五回まで無安打に抑え、七回に1点は失ったが、114球の熱投で最後までマウンドを譲らなかった。チームも連勝で4月1日以来の貯金1。4カード連続の勝ち越しを決めた。

 4人の子供を持つメッセンジャーは試合後、待ち構えた家族と至福の時間を過ごした。1人1人とハグし、全員で記念撮影。最後に妻ベネッサさんにキスして勝利の余韻に浸った。マウンドを譲らなかった114球で2勝目。帰ってきた。エースが「こどもまつり」に連勝で花を添えた。

 4月19日の巨人戦で右腕に打球を受け、右前腕部の打撲で抹消。中14日で挑んだマウンド。4点のリードでも「1本打たれても1点を取られた後も、この試合は自分で投げ切る強い気持ちがあったよ」と、続投を志願した。27個のアウトのうち、ゴロで奪ったアウトは19個。直球を軸に丁寧な投球を心掛けた。

 「こどもの日だからね」と振り返ったように、3連戦では少年少女に向けたイベントを開催。2男2女のパパは幼少期、バスケットボール選手になるのが夢だった。NBAのシカゴ・ブルズが好きで、「神様」マイケル・ジョーダンに憧れた。ポジションはパワーフォワード。「オレもジョーダンみたいだったんだぜ」と、野球でプロ契約するまではバスケとの“二刀流”だった。

 「オレはなんだっていいと思うんだ。子供たちは夢中になれることを、楽しみながら続けてほしい」

 本業にした野球でも高校時代は遊撃、三塁を守って打順は4番だった。「1シーズンで本塁打を10本打ったこともあるよ」。いまでも使用する小さなグラブは、内野手時代のなごりでもある。大事なのは夢中になること。七回、大勢が決まった打席でも「自分は投手である前に、野球選手なんだ」とフルカウントまで出塁を狙った。可能性は無限。多くの子供たちの前で、熱き思いを体現した。

 記念Tシャツで臨んだお立ち台。福留も栗山通訳も、インタビュアーも着用して登場し、サプライズで復帰星を祝福した。完投勝利は17年8月4日のヤクルト戦以来。甲子園での勝利は昨年5月15日のDeNA戦以来となる。「メッチャ、ヒサシブリネ」。恥ずかしげに首を振りながら、「最高の気分だ」と笑った。エースの力投でチームはついに貯金生活。子供たちの前でパパが、ヒーローになった。

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