糸井意地弾 不動の4番が7試合ぶりの一発「負けたら何もない」

 「中日4-1阪神」(21日、ナゴヤドーム)

 前を向いて歩く。試合後のバスに続く通路。多くを語らずとも、フルスイングに思いを込めた。今季8度目の完封負けを阻止し、ナインを鼓舞した15号ソロ。阪神・糸井嘉男外野手(37)の“意地弾”で一矢報いた。「負けたら何もない」。最小限の言葉で帰路に就いた。

 九回。差は4点。先頭で打席に立った。1ボールから佐藤の2球目。真ん中低めの144キロを狙った。高く弧を描いた打球が中堅フェンスを越える。7試合ぶりの一発。ナゴヤドームでは、阪神移籍後初となるオリックス時代の2015年6月以来のアーチだ。

 機動力での攻略を狙い、大幅に打線を組み替えた一戦。前後の打者が変わる中、4番だけは不動だ。四回には1死一塁から一、二塁間を破って2安打。打率を・312まで上げた。

 九回は本塁打から、3連続四死球で2死満塁とした。最後は糸原が二ゴロに倒れたが、糸井のフルスイングが流れを呼んだ。1本の本塁打を喜ぶよりも、1敗の結果を悔やんだ試合後。長期ロードも残り5試合。反撃は4番のバットにかかっている。

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