「ヤクルト５－６阪神」（１日、神宮球場）

　待望の勝利にも淡々と応えた。敵地でのヒーローインタビュー。７試合ぶりの白星も喜びは控えめ。神宮球場の大歓声を全身に浴びながら、小野は４勝目をつかませてくれた仲間に感謝した。

　「早めに点を取ってもらったんですけど、いいリズムで投げることができなかったので、今日は野手の人に感謝したいと思います」

　６回を５安打３失点と納得の投球ではない。二回、先頭の畠山から３連打を浴びて１点を失った。三回は制球に苦しんだ。連続与四球などで１死一、三塁のピンチを招くと雄平に右翼線に適時二塁打を放たれ２点目。続く畠山の投ゴロの間に３点目を奪われた。

　四回以降は粘り強さを発揮。三者凡退の五回には先頭の山田哲をカーブで左飛。バレンティンも同球種を２球続けて三ゴロに抑えるなど、変化球でカウントを整えてリズムをつかんでいった。

　今季、力強い直球と同様に有効となっているのが縦に大きく変化するカーブ。「昨年よりも感覚がいい。メッセンジャーや秋山さんみたいにいつでもカウントがとれるようにしたい」と理想を求めながらも、手応えをつかんでいる。

　試合の中で修正して、任されたイニングを投げ抜いた右腕。「チームが勢いに乗っているので、乗っていけてよかった」。このままチームの流れに乗って白星を積み重ねていく。