糸原4安打 前日今季初の先発落ちから奮起「継続できるように」

 「交流戦、西武5-10阪神」(2日、メットライフドーム)

 マウンドにいるのは、変則気味の左腕。それでも勝ちに飢えた若虎には関係なかった。阪神・糸原が六回に1点差に迫る右前適時打をマーク。この日は得意の広角打法を発揮し、4安打1打点と暴れ回った。4安打は2017年7月9日の巨人戦(甲子園)以来。糸井、ロサリオ、上本と並ぶ今季4度目の猛打賞だ。

 2点を追う六回だ。2死一、二塁の好機で打席へ。西武ベンチはここまで3打数3安打の糸原を迎えた場面で多和田に代えて、左腕の野田を送り込んできた。だが背番号33は冷静だった。カウント1-2からの4球目、肩口から入ってきたスライダーを捉えた。

 勝利への執念が敵をのみ込んだ。「右も左も関係ない。試合なんで結果を出さないといけない」と力を込める。開幕から好調をキープしていたものの、交流戦では12打数1安打。1日には今季初のスタメン落ちを経験したが、これで発奮した。リーグ最多の7勝をマークする多和田を叩き、左腕から適時打。この日を含め今季69打数22安打、打率・319と左投手を苦にしないことも改めて見せつけた。

 状態は悪くなく、この日のフリー打撃でも鋭い打球を連発。ただ本人は「試合で打てないと意味がない」と結果を強く求めていた。「今日は結果が出てよかった。継続できるように」。玄人好みの仕事人が、打線に勢いをもたらしていく。

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