秋山、無援 タカ打線に力投7回1失点も…交流戦初黒星
「交流戦、阪神2-5ソフトバンク」(31日、甲子園球場)
とがめられる結果ではない。それでも阪神・秋山拓巳投手は、開口一番に自らを責めた。まるで自分自身に言い聞かせるように。「先制点を与えてしまったので」。7回1失点。それでもなんとか粘ろうとする姿に、誰もが勝ちをつけてあげたいと願った…そんな力投だった。
悔やんだのは四回だ。今宮への2球目、この日の36球目に選んだカーブが真ん中へ甘く入る。左前へ痛打され、先頭打者に出塁を許した。「失投になってしまった」と振り返ったその1球。ここから始まった。暴投で無死二塁とされ、中村晃には四球。その後、1死一、三塁となって、デスパイネに適時二塁打を浴びた。ソフトバンクに入った先制点。この1点が、最後まで重くのしかかった。
それでも、真っ向から勝負を挑んだ90球だった。走者を出しても、得点圏には進めない。七回には二塁打を浴び、ピンチを背負ったが、後続をきっちり打ち取り生還は許さなかった。「四回を1点でしのげたので、粘り強くとは思っていた」。
奪った三振は全部で7個。そのうち6個は、抜群にコントロールされた直球で奪った。また警戒したいと話していた、4番・柳田には3打数無安打。球種こそ違うがいずれも初球で凡打に仕留め、仕事をさせなかった。
自分との戦いでもあった。相手は鷹の強力打線。それでも対策&警戒ポイントは「前日までは考えない」と口をつぐんでいた。悩み、苦しみながら4勝目を挙げた前回登板から7日。「ずっとうまくいかない1週間を過ごしている」と言う。だからこそ秋山は対バッターよりも、まずは自分自身と向き合うことを決めていた。
言い訳はしない。まっすぐ前だけを見据えた。「また次、頑張ります」。これで4勝5敗。秋山自身も、チームも借金「1」だ。気持ちを入れ替え、次戦へ。うつむいている時間はない。
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