金本監督 候補1年目で殿堂入り 「星野さんに報告したかった」

 今年の野球殿堂入りが15日、東京都内の野球殿堂博物館で発表され、競技者表彰のプレーヤー表彰として阪神の金本知憲監督(49)、元巨人・松井秀喜氏(43)、エキスパート表彰として前巨人監督の原辰徳氏(59)が選ばれた。金本氏と松井氏は候補者の資格を得た1年目での殿堂入りで、候補1年目の候補者が2人同時に選ばれるのは初めて。特別表彰では愛知・中京商(現中京大中京高)で選手や監督として甲子園大会優勝を果たした故瀧正男氏が選ばれた。

 導かれるようにこの日を迎えた。金本監督は「驚きと喜びが、本当に交錯しています。どちらかというと恐縮する思いの方が強いです」と話したが、数々の功績が認められての堂々の選出。誇りに思える受賞にも、恩人の顔を思い浮かべると言葉に無念がにじんだ。

 「去年星野さんが選ばれて、入れ替わるように自分が。本当に『選ばれました』という報告がしたかった。残念です、本当に。もう70歳でかなり丸くなられてるんで(ここにいれば)おそらく、優しい言葉をかけていただいたかなと思います。面と向かって報告したかったですけどね」

 ここに立てたのは星野さんのおかげ。その思いがある。広島時代から続いた連続フルイニング出場が、世界記録に到達したのも阪神移籍後のこと。これまでの印象に残るシーンとして挙げたのも星野阪神での死闘だった。

 「タイガースに来てからは日本シリーズのサヨナラホームランですかね。甲子園球場が一番沸いたというか、あの日が一番、拍手喝采を浴びた日じゃないかなと思います」

 03年、ダイエーとの日本シリーズ第4戦。劇弾の後、ベンチ前で星野監督が出迎え、抱きしめてくれた。あの感触は忘れていない。

 会見の前には、花が添えられた星野氏の肖像レリーフの前で撮影も行った。不思議な運命が交錯した晴れ舞台。幼少期に「殿堂入りというものがある」と話してくれた「親戚のおじちゃん」も、昨年11月に他界。野球を勧めてくれた恩人でもあり「その言葉通りになれましたね」と感情を込める。節目の1日に感謝が積み重なった。

 過去4人だけの資格1年目での殿堂入りを同時達成した松井氏とは、移籍した年と引退した年が同じ。原氏に関しても「最初に買ってもらったグラブが原さんモデルだったという。中学2年の時に。非常にご縁のある今日1日です」と笑った。重なり合った運命は、すべて金本監督が手繰り寄せたものだ。

 「(結果と内容の)両方を追い求め、当初の志を強く持ったまま、ブレずに強いチームをつくって優勝したいと思います」と金本監督。恩人たちは見ていてくれる。誓うのはリーグ優勝。胸を張って、天国に報告したい。

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