福留から若手に“打ち出の金言” 今のチームは勝てる…優勝したい

 阪神の主将を務める福留孝介外野手(40)が、デイリースポーツの独占インタビューに応じた。若手中心のチームを引っ張る立場で、今年の目標に掲げたのは個人成績ではなく13年ぶりの優勝。そのために日米で培ってきた“福留イズム”を若虎たちへ伝授していくとともに、まだまだレギュラーポジションを譲らない強い気持ちを明かした。

  ◇  ◇

 -明けましておめでとうございます。昨年から、2018年シーズンは優勝しかないと語っていた。

 「もうね、この年になって変な話、個人でどれくらい打ちたいとか、数字を残したいというのはほとんどない。とにかく勝って、喜ぶというのが一番。ここから先、10年、20年とやっていくのではないから。やっぱり勝てるタイミングというのはあると思うし、今のチームは勝てるタイミングを持っているからこそ、優勝したい。若い選手が優勝を味わうことによって大きく考え方も変わっていくだろうし、彼らが『優勝って、こんないいもんなんだぞ』というのをまた下の世代に伝えていける」

 -優勝したチームは野球に対する考え方が変わってくる。

 「こうやっていけば勝てるんだとか。こういうふうにしたら、自分たちから勝ちを逃がしていくんだとか。言い方は悪いかもしれないけど、今の若い選手は分かっていないと思うのね。『勝負所(どころ)で』というのも、ピンチになったから勝負所、チャンスになったから勝負所というわけではない。それが分かるようになるためには、勝たないといけない」

 -昨季中、アドバイスで外野手が一回り小さいグラブを使うようになった。野球を突き詰めて考える一環。

 「扱えるのであれば、グラブは大きい方がいいんですよ。もちろん自分の感覚で、グラブは長い方がボールに追いつくかもしれないというのがある。ただ今の若い選手を見てて、申し訳ないけど、大きいグラブを使いこなせるだけの選手は?と聞かれたら疑問符がつく。だったら自分の使いやすいものを使って、徐々に大きくしていけばいい。自由に使えるようにしていくのは自分。だから俺は『もう少し小さい方が扱いやすいんじゃない?』ってね」

 -考えて野球をやる意識が徐々に浸透してきている。

 「自分たちがこの場所で長いこと野球を頑張りたい、そこで一生懸命やって稼ぎたいって思ってやっているのであれば、それなりに上を見てやっていかないと。すべてのことは達成できないよ。そら『ただ野球ができていたらいいんだ』と思うのであれば、それはそれでいい。別に無理難題を1軍の舞台で苦しい思いをしてやらなくてもいいと思うけど、やっぱりプロ野球でやってる以上、頑張って活躍したいと思ってやってるわけだから。そう思うのであれば、それなりのことをした方がいいんじゃない」

 -実際にそういう考え方に行き着いたのはいつ頃?

 「恵まれていたと思うけど、プロに入って一発目で優勝して、また数年後に優勝という経験を何度かさせてもらって、それをするたびに、何かが起きるたびに『あっ、そういうことか』とか『これをしておけば大丈夫なんじゃないの』とか。少しずつ自分の中で見えてくるし、見えるから考えることができる」

 -日頃の打撃練習を見ていても、意識が他の選手とは違う。

 「僕もそうだし、鳥谷、糸井もそうだと思うけど、みんなもっと打ちたい、もっとできると思っているから練習するんだろうし。もっとこうやった方がいいんじゃないかと考えながらやる。それって普通、当たり前のことだと思っている。いろんなことにこだわってやっているのではなく、僕は自分が練習しているときは『自分が一番、下手なんだ』って思いながらやる。だから『もっとうまくなりたい』『もっといろんなことやりたい』『もっと俺はできる』と思ってやるから、突き詰めるという考えに至るだけであってね」

 -そういう姿勢は今でも変わらない。

 「変わらないよ。僕らだって若いヤツから話を聞いて、『あっ、そうなんだ』と思うことなんて、いっぱいあるだろうし。僕がいちいち若手に対して『お前な、あのな、これでな』って言っていたら、一切、伸びもしない。どっかで考える時間を持って、本人たちがやっていくことが大事」

 -後輩たちへ伝えなきゃいけないこと、伝えたいことは。

 「こうやって勝つんですよ、こうやったら負けることが少なくなるんですよということをね。技術面は本人に合う合わないがあるので言えないけど、ただこうやったら勝つ確率は高くなるよって。そのために僕らが伝えていかないといけない。勝つためにこうしろではなく、こういう考え方もあるんじゃないのって選択肢を広げてあげる。一つの考えに凝り固まるのではなく、選択肢として頭に入れてみたらいいんじゃないのと」

 -理想はすべてを自分たちで考えてやるチーム。

 「自分たちで考えてやる方が強いと思う。サインで右打ちする、バントするというのは、絶対決めなきゃというプレッシャーがかかる。でも自分でこの場面はバントだなとか、最低限、アウトになっても向こうに打てば何とかなるかなって。そう思って打席に立つとか、いろんなことに考えを巡らせてやっていったときに、また野球を見る角度は変わってくると思うよね。アウト一つにしても、ムダなアウトなのか、いいアウトなのか。それを一つずつ覚えていけばプレーも変わる」

 -2018年シーズン、福留自身が必要と考えること。

 「僕自身もね、若いヤツがと言っている中で、負けませんよというつもりでやっていく。若いヤツにどうぞと譲るつもりもない。自分が活躍して勝つという思いだけは強く持ってやっていく。もちろん誰が活躍してくれてもいいんだけど、その中で絶対に俺がこの中にいるんだという気持ちを強く持って。そこの気持ちだけは若いヤツに負けずにね」

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