代打・隼太から神撃打 さすが“必殺仕事人”代打打率・342
「巨人4-5阪神」(9日、東京ドーム)
最高の準備が導き出した“答え”だった。試合を決める流れをつくったのは、代打の阪神・伊藤隼のバットだ。「今日は孝介(福留)さん、さまさまですよ!」。主将の同点打を呼び込む貴重な「H」ランプ。勝負強い打撃がまたもチームを救った。
3-4の九回1死。森越に代わって打席に入ると、守護神・カミネロのファーストストライクを振り抜いた。打球は中前で弾み、福留の右中間三塁打で一気に同点のホームへ。「点につながって、勝ちにつながって良かったです」。勝利の余韻に浸り、頬を緩めた。
金本監督は「センター前に打ってくれて、『これあるかな』というところで」と、劇勝の立役者の一人に認定。6日・ヤクルト戦(京セラ)では代打逆転3ランを放った。ベンチで牙を研ぐ“必殺仕事人”の存在がチームを明るく照らす。
今季の代打成績は38打数13安打、打率・342。伊藤隼は、好調の要因を「準備が全てです」と明かした。「最高の準備をすることが一番だと思っています。求められてることをしっかりと考えて、その中で結果を出せるようにやるだけです」。プロ6年目、自らの仕事に徹することで新境地が見えてきた。
自慢のバットが未来を切り開く。劇的な逆転勝利を飾った夜。伊藤隼は、また一段と表情を引き締めていた。