鳥谷、悲劇の結末…金本超え1767試合連続出場の日にサヨナラエラー

 「中日4-3阪神」(19日、ナゴヤドーム)

 記念すべき日に、残酷な幕切れが待っていた。阪神の鳥谷敬内野手(35)が連続試合出場記録を1767試合に伸ばし、現阪神監督の金本知憲を抜いて単独2位になった。この日は2安打2四球、1盗塁と奮闘したが、同点の九回に痛恨のサヨナラ失策。チームの連勝も2で止まり、3位転落。ただ、立ち止まってはいられない。この悔しさを1768試合目で晴らすだけだ。

 無我夢中で中日・京田の打球に食らいついた。3-3の九回2死二、三塁。サヨナラのピンチからチームを救いたい。だが、無情にも白球はグラブに収まらず、痛恨の適時失策。節目の夜を勝利で飾れず、試合後に笑顔はない。そこにいたのは14年間、虎を背負って戦い続ける野球人・鳥谷だった。

 「1日でも長くやりたいという気持ちはあるので。いい時も悪い時もありますけど、支えてくれる方々がいます。そういう方々に感謝したいと思います」

 金本知憲を抜く、プロ野球歴代2位の1767試合連続出場。ルーキー時代の04年9月9日・ヤクルト戦(甲子園)から続く“鉄人”への道は、節目を迎えた。リーグ優勝という格別の瞬間を味わい、また度重なる故障も経験してきた。一喜一憂の日々-。この日はそんな野球人生を凝縮したような一日。忘れられない夜になった。

 二回2死で先発・ジョーダンから投手内野安打を放ち、五回の先頭は中前へはじき返して一時逆転の口火を切った。六回は小川から四球を選び八回は三ツ間から再び四球。すかさず今季初の盗塁を決め、好機を拡大させた。

 開幕から打率・352と好調だ。昨年の大不振がウソのように、百戦錬磨の技術でヒットを量産している。ポイントは2月の沖縄・宜野座キャンプ。昨年は特守、特打と若手に混じりメニューをこなす姿が目立った。今年は午後の時間を使い、自身と向き合いながら打撃練習を黙々とこなす日々。若き頃の自分を、思い出そうとしているようだった。

 プロ14年目の春、鳥谷は復活した。一番近くで見守る片岡打撃コーチが、変化を語る。

 「去年は打つ時に左肘が後ろに入り過ぎていた。今年はトップがしっかり決まって、インパクトでヘッドが走る。でも、それ以上に今年に懸ける気持ちが強いんじゃないかな」

 敗戦に沈む帰り道、鳥谷は「しっかり捕って投げていればアウトだった」と責任を負った。3戦目、この借りを返すべく再び戦場に立つ。苦境に立ち向かい、戦い続けてきた1767試合と同じように-。勝利へと向かい、白球に懸ける。

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