中谷打点王だ!10戦13打点!V打で浮上

 「オープン戦、中日4-8阪神」(17日、ナゴヤドーム)

 終盤の猛攻。怒とうの逆転劇。この男の一太刀を抜きに語ることはできない。1点を追う九回2死満塁からの逆転2点適時二塁打。左翼フェンスを直撃した圧巻の弾道。阪神・中谷将大外野手(24)への期待感が信頼感に変わりつつある。

 カウント2-2。生死を分かつ局面で、観客まばらなナゴヤドームに心地よい打球音が響いた。スリークオーターから投じられた佐藤の128キロスライダー。泳ぐことなく、獲物を完璧に捉えた。

 同一リーグの中日相手に痛快な逆転勝利を収めると同時に、12球団単独トップに躍り出るオープン戦通算13打点目。出場10試合目でトップを走っていたロッテ・ダフィーを眼下に従えた。

 「いいところで一本出て良かった。これを励みに、今後につなげていきたいです。打点を稼げてるのはいいことだと思うので、継続してやっていきたい」。右翼線に運んだ七回の二塁打を含めて4打数2安打2打点。打率を・333に押し上げた。

 ミスも出た。中堅から三塁に回った直後の七回の守備。無死一塁から、溝脇の三ゴロを一塁へ悪送球。不慣れなポジションとはいえ、ピンチを広げ、スクイズで失うことになる4点目の端緒ともなった。

 「サードをやらせてもらっているので、しっかりやっていかないと。反省します」。三塁の守りには不安がつきまとうが、それでも金本監督に使ってみたいと思わせるだけの打棒がある。開幕まで2週間。両面を磨き上げ、12年ぶりの頂点奪取に挑むチームに欠かせない存在となる。

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