金本監督「俺より強い」 超ハードトレにも若虎全員が秋季C完走!

 阪神が16日、高知・安芸の秋季キャンプを打ち上げた。若手中心のメンバーにこれまでの概念を覆したハードなトレーニングを課した金本知憲監督(48)は、19日間を故障なく完走した全32選手を「俺より数段、強い」と絶賛。「キャンプは満点」「全員がMVP」と褒めまくり、4位に終わった16年シーズンからの逆襲へ向け、鉄人予備軍の育成、秋の底上げに手応えを感じ取った。

 金本監督は秋季キャンプのMVPが誰か、とっさに思い浮かばなかった。土佐の日差しで真っ黒になった野手18人、投手14人の顔を浮かべてみたが、ナンバーワンを決められなかった。最優秀選手は不在、ではない。むしろ、その逆だ。ハードトレーニングを課した19日間を終え、指揮官は感動を覚えていた。

 「離脱者が出てもおかしくないなとは思っていた。強いと思うよ。強いと思う、こいつら…。体は、ホンマに野手も投手も。全員、よくついてきた。筋肉痛慣れさせるのもすごい目的だったし、相当キツかったと思う。MVPはあまり考えていなかったので分からないけれど…。全員かな。俺は(今キャンプは)満点だと思う」

 金本監督いわく、「特殊なキャンプ」だった。朝から全員でウオーミングアップ、ランニングというこれまでの概念を覆し、班別にウエートトレーニング、400超の連続ティー打撃から1日を始め、その後、技術練習を行う。慣れない初日は、足をプルプルさせながら守備練習を行う選手もいたほどだ。「語弊があるけれど、少々けが人が出てもいいくらい」と心を鬼にして成長を促したが、期待をはるかに上回った。

 「本当によくついてきてくれたし、よくやった。これは本当に本心。腹からそう思う。まずは(皆に)それを言った。朝からあれだけティーやって…。(報道陣は)トレーニング室を見ていないと思うけど、ウエートトレは連続ティーと同じか、それ以上きつい。今の選手は、強くなっていますよ。俺より数段強いと思う」

 一本締めの前に小さい円陣を組み、選手たちをたたえた。過酷なキャンプは自身が20代だった広島時代に経験している。当時は宿舎の自室にたどりつく前に歩行困難で倒れたこともあった。それが不休の「鉄人」の原点でもあるが、目前の教え子たちを「鉄人以上」と称したくもなった。

 若手中心の秋季キャンプ組は不休のオフになるのか。そう聞かれると「たまには休んでいい」と答えた。それでも、注文はつける。キツかった~と帰阪後たるんでしまえば、貯金はなくなる。大切なのは続キャンプだ。

 「伸びてきたものもオフに遊べばゼロになる。同じようにトレーニングを続けていると上積みがある。ゼロか倍か。やらなかったら、すぐ戻る。10月、11月にやってきたのを生かすも殺すもオフ。何もしなかったら、この2カ月が無駄になる」

 秋は全員合格。ただ、これはスタートラインにすぎないのだと金本監督は言いたい。

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