横山、進め「岩貞ロード」 ドラ1左腕から先発ローテだ

 「阪神秋季キャンプ」(3日、安芸)

 阪神・横山雄哉投手(22)が3日、ブルペン入りし、金本監督から「岩貞2世指令」を受けた。今季、わずか3試合2勝だが、力強い直球と大きなカーブを武器に、潜在能力の高さを示した。秋季キャンプ後は台湾でのウインターリーグに参加予定。同じドラフト1位左腕が「岩貞ロード」を突き進んでいく。

 大きく振りかぶり、真上から投げ下ろす。ダイナミックな投球フォームが、大きな可能性を感じさせる。左打席に立つ指揮官が左腕へ鋭い視線を向けた。秋季キャンプ3度目の横山チェック。疲労のため「波が激しいね」と指摘しながらも、来季の先発ローテ入りへ期待の言葉を続けた。

 「香田コーチとも話してたけど、横山が出てきてくれたらなと。今年の岩貞みたいに。そこを目指してほしいし、横山には」

 岩貞になれ-。金本監督からの指令に横山の顔つきが変わった。同じドラフト1位左腕で年齢も2歳差。横山は「来年、岩貞さんぐらいやれたらいいと思います」と呼応した。

 来季の先発ローテを編成する上で、左腕の成長は不可欠だ。来季は残留濃厚のメッセンジャー、藤浪、岩貞がほぼ確定。中継ぎ転向の可能性があった能見も、岩崎にメドがついたことで、再び先発を任せられる。ただ5番手以降は不透明だ。今季新人ながら4勝をマークした青柳が一歩リードしている状況だが駒不足は否めない。

 横山は今季わずか3試合の先発登板に終わったが、2勝負けなし、防御率2・93。力強い直球と大きなカーブで、改めてポテンシャルの高さを示した。

 今キャンプでも1日に行われた状況を設定した紅白戦(安芸)に登板し、変化球主体の投球を披露した。直球頼みの投球から一皮むけようとしている。この日のブルペンではリリースの瞬間の、踏み込んだ右足の跳ね上がりを意識したという。

 「前でリリースできたら、リバースにつながる。まだいいときと悪いときがあるので。(体を)追い込んでいるときにしっかり投げられたらいいと思う。このキャンプは大事だと思います」

 秋季キャンプを終えると今月中旬から台湾でのウインターリーグに参加する。昨年岩貞も成長につなげた異国での武者修行だ。開幕ローテ入り、二桁勝利へ。先輩左腕の背中を追って、同じ道を歩んでいく。

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