ドラ5糸原、金本監督のスパルタに耐えて「はい上がれ」“切腹発言”恩師猛ゲキ

 「社会人野球日本選手権・1回戦、NTT西日本1-0JX-ENEOS」(2日、京セラドーム大阪)

 阪神5位指名の糸原健斗内野手(23)=JX-ENEOS=が2日、京セラドームで行われた社会人野球日本選手権1回戦・NTT西日本戦に「3番・三塁」で出場。自身は4打数1安打、チームも0-1で敗れ、アマ野球の幕が下りた。観戦した母校・開星(島根)の元監督、野々村直通氏(64)は「魂を見せてほしい」と、プロへ羽ばたく教え子に猛ゲキを飛ばした。

 最後の瞬間をネクストバッターズサークルから見届けると、糸原は大きく息を吐いた。明大から、プロへの再挑戦という気持ちで入部したJX-ENEOS野球部。「自分の結果より、チームが負けたことが悔しいです」。仲間と過ごした時間が脳裏を駆け巡り、悲しみが込み上げる。そんな青年を、バックネット裏から身を乗り出して見つめている人物がいた。

 白地のジャケットに、首には黒色のストール。メガネ越しの鋭い目つきは、どこか近寄りがたい雰囲気を醸し出していた。教え子の活躍を一目見ようと観戦に訪れた開星の元監督・野々村氏。「ヤクザ監督」らしい、独特の言い回しで猛ゲキを飛ばした。

 「梶谷、白根(いずれもDeNA)とは違ってチビだったけど、僕が見た子どもの中で一番、魂がある子だったんですよ。だから、プロでもそれを見せつけてほしい。金本監督のスパルタにも耐えて、はい上がっていってほしいですね」

 野々村氏は88年に開星の監督に就任し、春、夏合わせて9度甲子園に出場。糸原とは09年春、10年春と甲子園の土を踏んだ。しかし、10年春の選抜大会で21世紀枠の向陽戦に敗れ「21世紀枠に負けたのは末代までの恥。死にたい。腹を切りたい」と発言。これが問題となり、1年間の謹慎処分を受けた。多くのメディアでも取り上げられ「ヤクザ監督」として注目を浴びた。

 「『チビでもできるんだぞ!』と。子どもたちに夢を与えてほしい。僕はあの子の魂に期待しているんです」

 社会人野球の最終打席となった七回1死一塁。糸原は、102キロ変化球にタイミングを崩されながらも中前へはじき返した。「つなぐという意識が良かったと思います」。泥くさく、執念で運んだ一打だった。

 「一発勝負の世界でやってきたので、プロでも生かして勝負強い選手になりたいです」

 し烈な内野争いに参戦する23歳。恩師の言葉も力に、魂のこもった全力プレーで高い壁を乗り越えてみせる。

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