金本監督言っちゃった 開幕投手は「ほぼメッセ」 再契約合意前に指名

 早っ!阪神・金本知憲監督(48)が14日、来季開幕投手にランディ・メッセンジャー投手(35)を指名した。まだ再契約を完了していない助っ人に「大役」を任命するのは球団史上、おそらく初めてのこと。フライング気味ではあるが、指揮官の信頼度の厚さを物語った。世界一早い「開幕投手指名」は藤浪、岩貞ら候補者への強烈なハッパでもある。

 金本監督が17年度の開幕投手をもう言っちゃった。囲み会見が終わろうとしたときだ。今季初めて10勝を挙げた岩貞が来季は開幕投手を狙えるのでは?そう問われると、ポロッと本音が飛び出した。

 「全然。行き過ぎ。開幕投手は、ほぼメッセでしょう」

 背番号6はそう言い残し、ロッカールームへ消えた。報道陣は顔を見合わせ、ざわざわ…。まだ、10月半ば。メッセンジャーの残留は決定的ではあるものの、再契約交渉は合意に至っていない。メッセンジャーに近い関係者の話では本人は「生涯阪神」の意向を持ち、金本監督も残留を熱望していることから、相思相愛であることは確か。指揮官は残留へのラブコールを飛び越え、世界で一番早い「開幕投手指名」を海の向こうへ発信した。

 今年は2月の沖縄キャンプ中に、2年連続3度目の「大役」に指名した。来年36歳の右腕と契約を更新すれば日本で8シーズン目を迎える。3年連続4度目となる開幕指名は今季より4カ月も早く、フライング気味ではあるが、それだけ期待値が高いということだ。

 今季は開幕戦を飾れず、勝利から遠ざかった時期もあったが、シーズンが終わってみれば勝ち星(12勝)はチーム最多。投球イニングはリーグトップを誇った。年を越してもメッセンジャーへの依存度が変わることはなさそうだ。

 今月2日、メッセンジャーは帰国の途につく関西国際空港で「今年の内容を見ても、自分がやるべきだと思う」と早々と来季の開幕投手を宣言。「防御率、イニング数は満足していない。来年はもっと投げたいし、いい数字を残したい」と情熱をたぎらせていた。

 だが、これで開幕投手が「決定」したわけではない。この日、金本監督はアルプス席の最上段から101段の階段を駆け上がる投手陣にハッパをかけ、「岩貞も晋太郎とともに左右の軸になってもらわないと困る」と激励した。「ほぼ、メッセ」の発言の裏には、候補者たちへのゲキも大いに込められている。

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