２日・ＤｅＮＡ戦（横浜）に先発予定の阪神・岩貞祐太投手（２４）が１日、甲子園で行われた投手指名練習に参加した。２０試合にも及ぶ長期ロードの初陣は、“ハマのモンスター”筒香が仁王立ちする。復調の気配漂う左腕が敵軍の主砲を完全に封じ、チームの勢いをさらに加速させる。

　真夏の日差しに照らされた美しい緑の芝と、黒い土。長期ロード初戦を前にし、岩貞は甲子園で入念に最終調整を行った。相手は今季２勝１敗、防御率１・５９と抑え込んでいるＤｅＮＡ。しかし、油断はできない。４番に座るのは、筒香だ。

　「点に絡めないように、点を与えなければ負けることはないので。０点に抑えるためにも、しっかりと集中して抑えたいです」

　７月の月間打率・４２９、３１打点と驚くべき数字を残している怪物。何より日本選手トップタイの月間１６本塁打は、圧巻だった。９１年生まれの同級生ということもあり、気になる存在であることは確か。今季は５打数３安打、１本塁打と打ち込まれている。

　前回登板した７月２６日・ヤクルト戦（甲子園）は、７回４安打３失点。山田に一発を浴びたが、横振りになっていた腕の振りを縦振りにしたことにより球の質は向上。「だいぶ戻ってきているんじゃないかと思います」と、３試合連続２桁奪三振を記録したシーズン序盤の感覚が、よみがえりつつある。

　さらに、左腕にとって追い風となるのが最近６試合で５勝１敗と波に乗るチーム状況。ベンチで感じた「勢い」が、自身の投球にプラスになることは間違いない。「流れに乗っていきたいですね」。オールスターも経験し、もう一回り成長した。５月２７日・巨人戦（東京ドーム）以来の自身５勝目へ、心技体で万全の状態ができた。

　「これから外（甲子園以外）での試合が始まって、その１試合目にチームが勝てる投球をしていきたいです」

　２０試合にも及ぶ真夏のロードは、シーズンの行く末を左右する大事な戦い。岩貞がその初陣を鮮やかに飾り、上昇カーブを描く虎をさらに勢いづかせる。