西岡、左アキレス腱断裂で今季絶望 4打席連続H直後の悲劇…一塁手前で転倒

 2回、同点適時打を放った西岡は一塁を回る際に転倒、そのまま動けず
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 「阪神2-6巨人」(20日、甲子園球場)

 阪神が今季5度目の同一カード3連敗。借金は今季ワーストの13となった。甲子園での巨人戦は今季いまだ白星なしで、1分けを挟んで6連敗となった。二回には同点打を放った西岡剛内野手(31)が走塁中に左アキレス腱を断裂。今季中の復帰は絶望といえる状況だ。最下位に低迷するチームに、さらなる試練が訪れた。

 あまりにショッキングな光景だった。一塁ベースの手前で西岡が倒れ込んだ。うつぶせのまま微動だにしない。激痛に顔をゆがめ、歯を食いしばった。

 ベンチからすぐさま本屋敷トレーナーが飛び出した。一塁ベースコーチの中村外野守備走塁コーチも心配そうに様子をうかがう。金本監督、片岡打撃コーチら首脳陣も駆け付けた。甲子園がざわつく中、担架に乗せられた西岡は、腕で顔を隠し、激励の拍手を浴びながらグラウンドを後にした。

 悲劇は1点を追う二回に訪れた。2死三塁の好機で打席に立つと、先発・田口の122キロ変化球を左翼線へ。値千金の一打で同点とした直後だ。沸き起こった大歓声も、徐々に静まり返っていった。

 19時7分、車いすに乗る西岡は、上着はユニホーム姿のまま、顔にはタオルをかぶせ、無言でクラブハウスへ引き揚げた。高野球団本部長、杉本チーフトレーナー、権田トレーナー、広報2人も付き添う光景が、事態の重大さを物語っていた。西岡は尼崎市内の病院へ直行。検査を受けた結果「左アキレス腱断裂」と診断された。この日は自宅に戻り、21日に精密検査を行う予定だが今シーズン中の復帰は厳しい状況だ。

 「まだ報告は来ていないけど…。昨日3安打、今日2安打していたしね…。心配だよ」

 突然の悪夢に、金本監督も肩を落とした。猛虎にとっては泣き面に蜂だ。リーグ最下位に沈むチームにあって、西岡は本来のスピードスターらしさを取り戻しつつあった。19日・巨人戦では右肩不安のため回避していた右打席を解禁し、猛打賞をマークした。試合後には「個人の成績はどうでもいい。自分の成績よりも今のチーム状況、勝敗を考えたら、勝ちにつながる成績を出せないと喜べない」とチームを引っ張る1番打者の心意気を示していた。

 「残念というか痛々しかったね。アイツのためにも何とか勝ってやりたかった」

 試合後、片岡打撃コーチがチームの思いを代弁したが、西岡を欠いた打線は九回、1死から代打・狩野のソロで追加点を挙げるのがやっと。反攻を期したはずが、後半戦まさかの3連敗スタート。借金は今季ワースト13まで膨れあがった。さらに今季の甲子園での巨人戦は7試合勝利なしで6敗1分けという悲惨な数字が残る。西岡が今季絶望となれば、これ以上の試練はない。勝負の夏場へ、さらに厳しい戦いを強いられることになった。

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