金本監督「一番上しか狙っていない」

 阪神が23日、リーグ戦再開(広島戦・マツダ)に向け甲子園球場で全体練習を行った。首位広島と7・5差の4位から再出発する金本知憲監督(48)は「一番上しか狙っていない」と逆転優勝を誓った。「超変革」の下、若手重用で未熟さも露呈してきたが、後半戦に向け「失敗を恐れるな」「このチームは波に乗れば強い」と鼓舞。「勝ちながら再建」を1年目で達成するべく残り72試合に臨む。

 交流戦明け、3日ぶりに選手全員が集まった甲子園で真夏のような日差しを浴びた。金本監督は汗だくで一塁ベンチに腰掛け、集まった取材陣に言った。

 「皆さんが、少し勘違いされているところでね…。今、若い選手を使っているけど、僕は育成がメインだとは思っていない。育成しながら勝っていくと最初に言ったんだから、勝ち負けにこだわっているし、正直、Bクラスでもいいとか、これっぽっちも思っていない。1位、一番上しか狙っていないわけだから。そこを狙うために選手は頑張って、うまくなっていく」

 監督就任会見で「勝ちながら再建」したいと宣言した。いざシーズンに突入すると周囲から「空論だ」など、数々の声が届いた。育てながら勝負する、その難しさを身に染みて感じ、若手の未熟さに頭を抱える夜も少なくないが、だからといって「今年は育成の年」と公約を半分放棄するつもりはない。

 ほぼシーズン半ばの71試合を経過した。「順位は気にしない」と言い続けてきたが、交流戦は7勝11敗で4つの負け越し。首位広島と7・5差の4位は決して居心地のいい位置ではないが、指揮官は現在地をこう捉える。

 「ちょっと開き過ぎたかなとも思うけど、いい波にさえ乗れば、まだまだいくらでも取り返せるとも思っている。2回くらい、いい波にパンパンと乗りたいよね。全然、全然。なんてことはない。どれだけ、波に乗れるかだと思うけど、このチームは波に乗れば強いと思うよ」

 若手重用のチームが大きな波に乗るためには…。その答えを問うと金本監督は、ビビるな!と言う。ときに首脳陣があっと驚くような大胆さも見てみたい。声を大にして言う。

 「若い選手はミスを恐れなくていい。積極的なミスは一切言って(責めて)ないんだから。(盗塁は)いけると思ったら、サインを無視してでも、どんどん走ったらいいんだよ。ただ、できること、バントとかヒットエンドラン…サインミスとか、そういうことは僕は叱るけど。ベテランがしっかりしてくれたら、若い選手が暴走できる。今は一番暴走する横田と江越はいないけど…(笑)」

 首位に挑む3連戦は、最低でも勝ち越さなければ光は見えない。

 「オールスターまでぶっ飛ばしてね。ちょうどいい直接対決。順位を考えるのはまだまだ早いけど、離され過ぎても困るから」

 育てながら、勝つ。残りは72試合。「超変革」のこだわりが薄れることはなさそうだ。

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