ドラ5青柳初登板初星!村山以来の快挙

 「交流戦、楽天3-5阪神」(1日、コボスタ宮城)

 金本阪神にまた新星が現れた。ドラフト5位の青柳晃洋投手(22)=帝京大=がプロ初登板初先発し、右横手からの変則投法で5回を3安打1失点。救援陣がリードを守りきり、うれしいプロ初勝利をマークした。阪神の新人右腕による初登板初先発初勝利は、1959年の村山実以来。新人右腕の活躍で、チームは勝率を5割に戻した。

 ウイニングボールを受け取ると、自然と頬が緩んだ。プロ初登板初先発で初勝利。ヒーローインタビューでは開口一番、声を張り上げた。「最高です!」。青柳は気持ちよさそうに敵地で割れんばかりの歓声を浴びた。

 泥くさくつかんだ初白星だ。投げた5イニングのうち、三者凡退は1回もなし。被安打は3ながら与えた四死球は5。さらにもモーションを盗まれ、4盗塁を許した。それでも全力で腕を振った110球だった。

 下手投げと横手の中間という独特のフォームから放たれる直球、スライダー、ツーシーム…。毎回のようにピンチを招くも、最少失点でしのいだ。球団の新人右腕での初登板初先発初勝利は、阪神では59年・村山実以来。「ストライクに入れば、そんなに打たれることはないと思った」と手応えをつかんだ。

 本来ならばこの日の先発予定は横山だった。だが左肩のコンディショニング不良で5月31日に登録抹消。代わって秋山が昇格した。1軍首脳陣の中には先発経験のある秋山を推す声もあったが、金本監督は青柳を抜てきした。

 「勢いと打者の打ちにくさで5回1失点。十分ですね。欲を言えば6回だろうけど、ルーキーの初登板で、そこまで言うのは欲張り」。指揮官は称賛を惜しまなかった。

 いつも家族が右腕の原動力だった。母・利香さんには10歳のときから女手一つで育てられてきた。「本当に感謝の気持ちしかないです」。昨年12月の入団会見で約束していた通り、ウイニングボールを渡す予定だ。

 兄弟それぞれが小さいころから夢を追い求めていた。2歳上の兄・勇輝さんと一緒に電子オルガンに熱中してきたが青柳は小5から野球にシフト。その後、プロ野球選手になって夢をかなえた一方、作曲家を目指していた兄は途中で断念し、会社員になった。だが夢半ばとなった兄から「努力を続けていると夢はかなうんだ」と言われてきたという。「頑張らないといけないんですよ…」。兄の分まで夢を背負う責任を感じている。

 「次は分からないですけど、言われたところで投げるだけです」。チームの救世主となった背番号50。金本阪神に登場した新星はさらなる快投を見据え、視線を前に向けた。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

タイガース最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(タイガース)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス