球児に光、今季最多106球&7K
「阪神2-3DeNA」(30日、甲子園球場)
色とりどりの風船が揺れる中、阪神・藤川はうつむいて、ベンチへ下がった。0-1の七回。2死二塁から連続四球を与え、無念の降板。今季2敗目を喫したが、今季最多106球に手応えをにじませた。
「シーズンを送る上で徐々に状態が上がっていると感じ取れた。また明日、チームが勝てるように願うだけです。ゲームを作ることはできたと思います」
最速146キロの直球に変化球を交えて、三回までパーフェクト。ところが四回に落とし穴が待っていた。1番関根に遊撃内野安打で出塁されると、1死後乙坂へ四球。すると、4番ロペスの初球にまさかのダブルスチールを決められた。続けざまに左犠飛を打たれ、先制を許した。結局、これが決勝点となったが、球児は前を向く。
「まだ4月、次からケアしたい。シーズンは長いですから。いろんなことが起こるし、取り込んでいかないといけない。相手の4番がいない中で、そういうこともあるかなと」
4月10日・広島戦(甲子園)以来、20日ぶりの1軍登板は、今季最長の6回2/3を投げ3安打1失点。香田投手コーチが「いい時間を過ごしてくれた」と話したように、進化の兆しを示した。これまで走者がいないときはノーワインドアップだったが、この日はセットポジションに変更。さらに前回クセを盗まれた疑いがあることから一塁に走者を置く場面では、グラブの位置を肩の高さまで上げた。
7奪三振も今季最多で金本監督は「球児はね、一番良かったんじゃないかな、今回。球も走っていたしね」と評価。久々の登板は、収穫もたっぷり。今季2勝目へ光が差した。