マテオ初S!うなる鬼スラ守護神もグ~

 「阪神5-4中日」(27日、京セラドーム大阪)

 大砲だろうと問題ない。阪神のマルコス・マテオ投手の鋭く曲がるスライダーがうなりを上げた。九回1死、3試合連続アーチを放ったビシエドを空振り三振。直球で2ストライクを奪うと、2球ボールを見せて、最後はストライクからボールに逃げる伝家の宝刀で空を切らせた。

 「もちろんバッティングは好調だけど、意識せず自信を持って投げた。その結果、よかったと思う。好調だとか、当たっているとか関係なく、一人の打者として挑みました」

 最後の打者・平田もスライダーで空振り三振に仕留めた。2試合連続登板で来日後、初セーブをゲットした。

 「自信を持って投げられた。初セーブは関係ない。おまけのようなもの。マウンドに上がったら、1点差とか2点差とか考えていない」

 これで来日後の実戦は8試合連続無失点とした。盤石な投球が光るが、金本監督は「まだ相手打者も慣れていない。慣れてきたときにどう工夫してくれるかが課題」と冷静に評価する。マテオ自身も浮かれた様子はまったくない。

 母国語・スペイン語で話しかけられたとしても、なるべく通訳を介すようにしているドミニカン。何気ない会話でも、コミュニケーションに誤解が生じてはならない。石橋をたたいて渡るやり方は、守護神を名乗るにふさわしい。

 前日は指揮官に渡したウイニングボールだが、「今日は僕がもらいました」とニッコリ。ボールを保管するのは、ドミニカ・ウインターリーグでセーブ記録をつくって以来だという。

 「チームが勝つ事が大事。そういうことを思っている」

 相手が対策を練ってきても大丈夫。献身的な姿勢を崩さず、腕を振り続けるのみだ。

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