下柳臨時コーチ “地獄キャンプ”予告

 来年2月の阪神1軍キャンプで臨時投手コーチを務める下柳剛氏(47)=野球評論家=が22日、若手投手に対して“地獄キャンプ”を予告した。期間中には、同じ左腕で飛躍が期待される岩崎優(24)、岩貞祐太(24)、島本浩也(22)の3投手らを中心に、自身が現役時代に行っていた「インターバルピッチ」などのハードメニューを課すことを示唆。盟友・金本監督の意思に鬼のタクトで応える。

 幾多の修羅場をくぐり抜けたあの頃も、ネット裏から後輩たちに熱い視線を注ぎ続ける今も、やはりあの持論は変わらない。

 投手の真価が問われるのは、その体力が限界に達した時-。

 現役時代には圧倒的な練習量で知られたヒゲの左腕が、飛躍を目指す若き虎投たちに、あの伝説の地獄メニューで闘魂を注入する考えを明かした。

 「どこまでの権限が与えられるかは分からないけどね。金本監督に呼ばれたのは、そういう厳しさを求められたということだと思うから…」

 インターバルピッチ。下柳氏が甲子園球場で頻繁に行っていたメニューだ。まずブルペンで15球の投球練習。これが終わるとグラウンドに出て50メートル、40メートル、30メートル、20メートル、10メートルのダッシュ走をそれぞれ往復で行う。このセットを休みなく6度繰り返す。15球は1イニングに要する平均的な球数。そしてダッシュ走は心拍数を上げた状態、つまり意図的に体を疲労状態に追い込んだ上で投球練習を行う狙いがある。

 現役時代に苦楽をともにした金本監督からのラブコールには、岩崎、岩貞、島本ら若手左腕の強化を託されたという意味合いもある。下柳氏は、ネット裏から見た3投手の素材を高く評価した上で「意地でも抑えないといけないところでの、がむしゃらさが見えなかった。気迫で押し込むような投球が欲しい」と課題を指摘。球界屈指と謳(うた)われた投球術、逆境にこそ力を発揮した精神力など、通算129勝を支えた“反骨のレシピ”を若き虎投たちに余すところなく伝授する構えだ。

 下柳氏はこの日、長崎市内で自身が主催する少年ソフトボール大会「第9回下柳剛ドリームカップ」に大会会長として参加。史上最多の52チームが繰り広げる熱戦にネット裏から熱い視線を送った。

 「意識的にしないとできないことを無意識にできるようにする。そのためには…練習。それしかない」

 故郷の子どもたちの戦いに目を細めつつ、宜野座の空に思いをはせた。その日が待ち遠しい。若き虎投たちを必ずや、飛躍の階段まで導いてみせる。

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