江夏氏、安芸キャンプで臨時2軍コーチ

 阪神が来春の2軍安芸キャンプにOBの江夏豊氏(67)を臨時投手コーチとして招へいする方向であることが17日、明らかになった。今春には宜野座キャンプに臨時コーチとして指導に当たり、島本ら左腕の成長を促した。伝説の左腕が掛布雅之2軍監督(60)とタッグを組み、伸び悩む若手に新たな息吹を吹き込むことになる。

 伝説の左腕が再び、後輩たちの指導に就くことになった。来年2月に安芸で行われる2軍キャンプ。ここに通算206勝、193セーブの江夏豊氏が臨時コーチとして、参加する方針であることが分かった。球団幹部が「その方向で進んでいる」と認めた。

 今春には1軍の宜野座キャンプに参加。8日間の短期間ながら、ブルペンに入り熱視線を送り続けた。2月2日には講師役としてミーティングに参加。伝説の“江夏の21球”について講義した。広島に在籍した1979年の日本シリーズで九回無死満塁の大ピンチを切り抜け、チームを日本一に導いた快投について心理面を加えて説明。「開き直りは投げやりにつながる。オレは絶対にゼロで抑えるという信念でやってきた」との言葉を残した。

 「短期間で技術をいじるのは選手に失礼」と話し、練習中に自ら手取り足取りすることはなかったが、福原、榎田らから質問を受ければ、余すことなく、自らの経験と知識を披露して見せた。

 また最終日には“江夏賞”として育成から支配下を勝ち取ったシンデレラボーイ島本に自らのグラブをプレゼント。粋な演出で若手投手を激励したシーンは印象に残る。

 今回は掛布2軍監督の下、1軍を目指す若虎を指導することになる。2軍は久保、高橋の両投手コーチが在籍するが、左腕の高橋コーチは指導者経験はない。能見、岩田に続く左腕の育成が急務のチームにとって、江夏氏が指導に就くことで選手への刺激だけではなく、高橋コーチのスキルアップも期待される。

 安芸は現役時代に慣れ親しんだ鍛錬の場。「キャンプはボールと友達になる時間」と話し、投げることで指先をなじませ、絶妙の制球力へとつなげた。その技術を受け継ぐことができれば、虎投のレベルアップに直結することは間違いない。

 来春の安芸は背番号31の掛布2軍監督と伝説の左腕の上陸で、話題沸騰は間違いなさそうだ。

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