藤浪 悪送球で13勝目逃す…次こそG斬り

 「阪神4-3巨人」(9日、甲子園球場)

 歓喜の瞬間、阪神・藤浪はペットボトル両手に、ベンチを飛び出した。甲子園に巨人を迎えた天王山の初戦。今季13勝目はつかめなかったが、チームの勝利が何よりうれしかった。

 「助けてもらいましたし自分の情けないピッチングをカバーしてもらったので。野手の方に感謝したいです」

 7回124球を投げ6安打3失点。しびれる一戦で、序盤から気迫の投球を展開したが2つのプレーに悔いが残った。1点リードをもらった直後の四回、2死一、三塁。小林を直球で打ち取ったが、「焦ってしまった」と一塁送球が悪送球となり同点を許した。さらに七回は2死一塁から、全球直球を挑んだ4番阿部に右翼席へ勝ち越し2ランを浴びた。

 「直球を張られているのは分かっていたけど、自分の一番、自信のあるボールはまっすぐなので。厳しいところに投げないといけなかった。勝負どころを抑えないといけない」

 藤浪はここ一番で露呈した詰めの甘さに自戒を込めた。残り20試合を切り、厳しい登板は続いていく。それでもチームが勝利したからこそ、反省も前向きに捉えられる。

 「勝って反省できるのは幸せなこと。次は野手の方に恩返しできるように、引っ張っていけるようにしたい」。次回は中5日で15日・中日戦(甲子園)に先発予定。締めくくりの言葉通り、恩返しの投球を体現したい。

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