能見 通算81勝で“お手本”下柳超える

 阪神・能見篤史投手(36)は個人記録に関心を示さない。甲子園球場で藤浪、岩田らと指名練習に参加した27日、「下柳超え」について「あまり興味がないですね」と話した。

 前回登板の22日巨人戦(甲子園)で今季7勝目を挙げ、プロ通算80勝目に達した。次回先発予定の29日中日戦(ナゴヤドーム)に勝利すれば、下柳剛氏の阪神通算勝利数を超える。報道陣からその事実を聞かされると「そうなんですか?知らなかった。あまりそこには…」と、ピンとこない様子で首をかしげた。同氏が現役時代は調整方法などお手本にもしてきたが、36歳エースが標的にするのは目の前の戦いのみだ。

 炎天下でキャッチボール、ランニングなど調整を終えた左腕は「チームが勝つことが一番いいので、そこに向けて全力でやるだけですよ」と言った。14日広島戦(甲子園)で6勝目を挙げ、次戦は今季初の自身3連勝がかかる登板になるが、実は「鬼門打破」をかけたマウンドでもある。中日戦は昨季6月から自身4連敗中で、3連敗中のナゴヤドームでも12年9月8日以来、約3年間勝ち星から遠ざかっている。

 「僕は借金もしてますから」。今季ここまで7勝9敗と黒星が先行するだけに、まずは名古屋で負のスパイラルを断ち切り、全力で8勝目を奪う。

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