藤浪6勝目!両リーグ最速100K

 「阪神6-2DeNA」(28日、甲子園)

 打つべき人が打ち、抑えるべき人が抑える。そんな阪神で、投げて打って大活躍したのが先発の藤浪晋太郎投手(21)だ。7回6安打2失点で自身5連勝となる今季6勝目。8三振を奪い、今季両リーグ最速で100奪三振をマークした。打っても六回に5点目のタイムリー。チームは今季初の6連勝で、甲子園9連勝。貯金は最多タイの「3」。このまま独走態勢に突入や!

 思い描く理想が高いからこそ、心の底から喜べない。お立ち台に上がった藤浪は「ナイスピッチングとは言えない。自分以外にヒーローになるべき人がたくさんいる」と周囲に感謝した。自己最長の5連勝も、反省の言葉ばかりが口を突いた。

 「球数的にも七回を3人で抑えていたら、完投できていた。完投すべき試合だったと思います」。振り返ったのは自身の適時打で3点リードに広げた直後の七回だ。完投を目指してマウンドに上がったが、先頭石川に3打席連続の四球を与えると、1死後、3番梶谷に左前打を献上。ジェット風船が揺れる中、筒香、バルディリスを打ち取り無失点に抑えたが、七回だけで球数27球。トータル119球までかさんでいた。

 交代について、中西投手コーチは「すんなりいったら八回までいかせていた」と説明。結局、福原、呉昇桓に6連投となる継投を仰いだ。6月は無失点投球を続けた5月のような、安定感に欠けた。「いいときと、ちょっと感覚が合わないときの繰り返し」と藤浪。修正点は分析済みだ。「再現性を高められるようにしたい。そうしたら、長いイニングを投げていた5月のような感覚が戻ってくると思う」と前を向いた。

 梅雨の時季を迎え、調整に工夫をこらす。気温が上昇する日中はグラウンドでの長距離走を避け屋内プールで疲労を取り除く。さらに体重をキープするため深夜は夜食で、空腹を満たす。白米が準備されている食堂で茶漬けをかき込むこともあれば、寮の自室で料理することもあるという。食パンにチーズをのせソースを塗る。それをトースターに突っ込めば、「藤浪特製ピザトースト」の完成だ。

 そうした日々の成果は記録となって表れている。両リーグ最速で100奪三振に到達。高卒1年目から3年連続は田中将大(楽天)以来だ。この日の勝利でチームは今季最長の6連勝、甲子園9連勝となった。「このまま油断することなく1試合1試合頑張りたい」と藤浪。次回の先発は7月5日・DeNA戦(横浜)が有力。圧巻の投球を取り戻して、甲子園に帰ってくる。

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