マートン復活打「ア~シンド」おどけも

 「阪神3-1ヤクルト」(29日、甲子園)

 阪神・マートンが追うことを嫌がってきたボール球に手を出した。腕を伸ばし、捉えたのはベース板を外れたアウトローのスライダーだ。時に声を荒らげてまで神経質になっていた外角球に食らいつき、2本目の適時打を右翼前に落とした。

 2点リードで迎えた六回。先頭ゴメスが中前打で出塁するとヤクルトバッテリーが捕逸、暴投。相手のミスで広がった1死三塁のチャンスを逃すまいと、ヒットメーカーが1カ月ぶりの3連勝を決定づける3点目をゲットした。岩田と並んだお立ち台で「ア~シンド。ヒサシブリ、タクサン、ベースラン。シンドカッタデス」とおどけ満員客席の笑いを誘った。

 初回にゴメスとアベック適時打を放ち、連続試合安打を「5」まで伸ばした。起点となったのは22日のDeNA戦だった。開幕から22試合目の同試合で打順が5番から6番に降格。23打席無安打と自己ワーストのトンネルが続いていたが、マートンの自己診断は「不振」ではなかった。

 この日の試合後「これまで6試合か7試合、連続安打もあったし、調子が悪いとは思ってなかったよ」。低迷期間を抜け出したかと問われ、そうじゃないんだと首をくねらせた。

 外角の際どいコースをストライク判定されると、顔つきがひょう変する。今季のマートンを象徴するシーンだ。「大切なことはベース板を通る球を振ること」。かたくなにそう言い張り、試合後、VTRに2時間ぶっ続けでかじりつくこともあった。

 NPBが試合時間短縮を掲げる15年、ストライクゾーンがわずかに広がったとされる論調が選手間でささやかれることも確かにある。「判定」と戦うむなしさはマートン本人も自覚している。ベース板をわずかに外れる外角球をヒットゾーンへ運ぶ、この夜のスイングも安打製造機の真骨頂だ。

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