「阪神３-１ヤクルト」（２８日、甲子園）

　虎史上最強の助っ人救援投手に肩を並べた。２点リードの九回を阪神・呉昇桓が１安打無失点。巨人・沢村と並んでリーグトップタイの８セーブ目を挙げ、来日２年目で自身通算４７セーブ目を記録。ジェフ・ウィリアムスが持つ球団の外国人投手セーブ記録に並んだ。

　「『ＪＦＫ』は知っているよ。でも、記録は今は考えない」。自分を律するように守護神はあえて無関心を貫いた。

　納得がいかなかった。「先頭打者を出したことが反省点」。荒木に中前打を許してピンチを背負った。２死一塁で山田を空振り三振に斬り試合を締めたが、「風が強いので高めにいけば一発があると思った」とアウトローに変化球を集めて乗り切った。力で抑え込む３人斬りが明日への勢いを生む。だからこそ、悔いが残った。

　２度のリーグ優勝に貢献したウィリアムスはファンから「ジェフ」と呼ばれて愛された。まじめな人柄と勝負どころでの気迫から「青い目のサムライ」とも評された。

　武骨な石仏はジェフほど笑顔は見せない。「チームの成績があまりよくないからね。ほかの選手も頑張っているし、自分もどんどん頑張りたい」と淡々と言うだけだ。ただ、にじみ出る献身の思いはかつての左腕をほうふつとさせる。