藤浪、鬼門の京セラ克服3・29竜斬りへ

 「オープン戦、オリックス3-0阪神」(22日、京セラ)

 初回のマウンドに上がった阪神・藤浪は、スパイクで左足の踏み出す足場を掘り続けた。計50回、「土が硬くて掘れにくい」というマウンドを自分仕様に仕上げ、ようやく投球練習を開始した。

 「しっかり掘らないといけないですし、まったく気にならないわけじゃないですけど、感触は悪くない。球場は大丈夫と思います」

 1週間後のシーズン初登板に向けて、最終リハーサルを終えた。昨季1勝2敗、防御率5・40の京セラで今年最長の7回を投げ、7安打2失点。直球の最速を152キロに抑え、制球を重視。カーブで緩急をつけ、左打者には果敢に内角を突いた。四回、T-岡田の二塁内野安打で先制され、六回に中島の右前打で2点目を奪われたが、ツーシームなど多彩な変化球で、打者を翻弄(ほんろう)した。

 「ストレートが低めに決まらなかったのは反省点。調子自体は良くなかったですけど、悪いなりにまとめられたという感じです」

 オフから取り組んできた「脱力フォーム」が完成間近だ。86球の球数、2試合連続無四球が、3年目の進化を物語る。「コントロールにバラツキがあるけどストライクゾーンで収まっている。取り組んできたことができつつあります」と本人も納得顔だ。

 順調な仕上がりに、指揮官は「まずまず。1週間前からしたら、いい状態だと思う」と及第点。ただ中西投手コーチは「投手陣の中心になってほしい」と期待するからこそ「メリハリがなかった。三振を取るところでギアを上げていかないと。簡単に点を取られすぎる」と注文をつけた。

 今季の初登板となる3月29日・中日戦へ、藤浪は「調子をしっかり上げていきたい。体のコンディションを整えてシーズン開幕に備えたいと思います」と表情を引き締めた。懸念されていた鬼門を克服し、開幕へ準備は整った。

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