関本打!良太打!虎W神様で0行進脱出
「オープン戦、阪神2-2オリックス」(21日、京セラ)
とっておきの「切り札」2枚が、見事な快打を放った。2点を追う七回、チャンスに代打で登場した阪神・関本賢太郎内野手(36)、新井良太内野手(31)が2者連続適時打。打線がつながりを欠く中、抜群の勝負強さで存在感を示した。頼れる2人がシーズン本番でも、こん身の一振りでチームを救う。
沈んだ雰囲気にのまれなかった。むしろ、逆境をはね返すエネルギーを感じさせた。関本、新井良。超攻撃的な代打ツープラトンが、ともに一振りで空気を変えた。
六回まで0行進。18イニング連続無得点で迎えた七回だった。2死から福留が二塁打を放つと、和田監督はすかさず関本を打席に送った。
恒例の大歓声に迎えられた代打の神様。冷静に狙いを定めていた。初球。力で押していたマエストリの直球を振り抜いた。19イニングぶりの得点となる中前適時打は、代打でのオープン戦初安打。三塁ベンチ、左翼席に久々の歓喜を生んだ。
「よかったなと思う。いいことやと思う。気分はいいですよ」
昨季は7月13日の巨人戦(東京ドーム)で、代打満塁本塁打を放ったベテラン。今年もオープン戦は打率・625と勝負強さは健在だ。
続く代打の新井も勢いに乗った。2死二塁。こちらも初球だった。「積極的に振っていこうと思っていた」。マエストリのスライダーを捉えて三遊間を破った。
腰痛で春季キャンプは2軍スタートながら、2月中旬に1軍へ合流すると、オープン戦は打率・324。三塁の開幕スタメンは西岡が決定的だが、指揮官の中で関本に次ぐ勝負手になりつつある。
「腰はもう大丈夫。与えられたところで結果を出していきたい。結果を出さないといけない立場なので」。昨季は代打で打率・313。今季も勝負どころでの一打に期待がかかる。
シーズンではレギュラーが調子を落とし、打線が振るわない時期も必ずやってくる。和田監督も2人に起爆剤として期待を込めた。
「シーズンを想定してそういう起用になる中で、ああいう結果を出すのは気持ちが入っている証拠だね」
絶好機、苦境…。チームのターニングポイントで必ず何かをやってくれる。七回の攻撃終了後も止まらない左翼席の大歓声が、2人への期待度を物語っていた。