能見納得4回1失点 登板前あえて疲労

 「オープン戦、阪神0-3ソフトバンク」(4日、甲子園)

 見据えるのは、あくまでシーズン開幕だ。阪神の先発・能見が今年最長4イニングを投げ6安打1失点。毎回、安打されたが不安はない。狙い通りの疲労感に、登板後は納得の表情を浮かべた。

 「疲労があるから。その中でどう投げるかを1つの課題として持っている。何のためにキャンプから追い込んだのか。シーズンのためだから」

 自ら、「分岐点」と位置づけた今季。昨季は2桁勝利に届かず、今年は調整法を一変させた。参考にしたのはWBCに出場した13年の調整だ。この年は走りまくって開幕を迎え、好成績につなげた。

 今季はオフ、キャンプからランニング量を増やし、体をいじめた。この日の登板前には、室内練習場でダッシュを繰り返し、疲労がたまった状態でマウンドに上がった。「さすがにこういう状態はないけどね。その中でできることが自分の中ではあるから」。こうした意図ある登板もオープン戦ならではだ。

 ベンチでは“怪物”の投球を見る余裕もあった。投げ合ったのは日本に復帰した松坂。「興味本位で見ていました。プレートを踏む位置が自分と違いました」と冷静に話した。

 今年でプロ11年目。開幕へ向け自ら描いた道を進んでいく。

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