西岡いきなりフルメニュー!二塁奪取へ
「阪神春季キャンプ」(1日、宜野座)
右肘手術から復活を目指す阪神・西岡剛内野手(30)がキャンプ初日の1日、全体練習に参加し、制限を感じさせずフルメニューをこなした。練習時間は約7時間。打撃練習を居残りで行い、夕暮れまでサブグラウンドを1人で走り続けた。二塁のレギュラー争いに打ち勝つ覚悟が初日からにじみ出た。
西岡は1周400メートルのサブグラウンドを日没まで走った。若手内野陣のノック、捕手陣の強化メニューが終わり、仲間たちは誰もいなくなった。夕刻5時5分。トラック12周半、約5キロのランニングを終えると、上下黒のウインドブレーカーは汗だく。待ち続けたファン約100人と駆け足でタッチを交わし、初日の練習を閉じた。
「ぼちぼち、やりますよ。結果が出たら状態もいいということでしょう。意欲だけではレギュラーを取れないですから」
球場を引き揚げる際、報道陣の前で立ち止まることはなかった。途中経過を語ることのむなしさを知るからか、長時間練習の意図を問われると小声で返答し、車に乗り込んだ。
ランチをはさんで約7時間、自主トレ期間で7キロ絞った肉体と向き合った。動く-。そう感じたのだろう。右肘の手術明けを感じさせない動きで、キャンプ初日から全メニューを制限なくこなした。
鳥谷と組んだキャッチボールでは術後最長の35メートルを投げ、シートノックでは上本とともに二塁に就いて、併殺、中継プレーで術前と遜色ない送球を披露。快活な表情と躍動感でチームを盛り上げた。和田監督は「順調だね。期するものがあるのだろう」と西岡の胸中を推し量った。
フリー打撃では左右打席で1本ずつオーバーフェンス。左打席の最後の1球は右翼席へ予告本塁打を放り込み、笑顔で拳を握った。ケージ横で見守った掛布DCに自ら踏み出す膝の形を確認し「ひねるよりもシンプルにしたらどうだ?」と助言をもらった。その後、福留と取り組んだロングティー打撃は膝を意識しながら30分間、一心不乱にバットを振った。追い掛ける立場、募る危機感が西岡の原動力になっている。