ドラ3江越 先輩・新井兄目標にキングだ

 阪神のドラフト3位・江越大賀外野手(21)=駒大=が15日、都内で開催された駒大野球部の東都大学野球秋季リーグと明治神宮大会の「優勝祝賀会」に出席。大学の先輩である広島・新井貴浩内野手(37)を目標に「本塁打王」の獲得に意欲をみなぎらせた。大学通算2本塁打から本塁打王へ上り詰めた新井のサクセスロードを、背番号25とともに継承する。

 江越は制服の裾で汗ばんだ手を拭いて、両手を差し出した。フラッシュの放列を浴びながら近寄ってきた新井貴浩が「頑張れよ」と、笑顔で握手を交わしてくれた。「大きいなあ…」。189センチの威圧感に圧倒されたが、会場の隅で報道陣に囲まれると、背番号25の後継者として、でっかい目標を掲げた。

 「新井さんはタイトルを獲られた方ですし、自分もそういったところを目指してやりたい。まだまだ全然ですけど、将来的にはホームランのタイトルを獲れるように頑張ります。25番は大学1年からつけていた番号なので個人的にうれしい」

 東都大学野球秋季リーグ、明治神宮大会で優勝に輝き、盛大な祝勝会が開かれた。中畑清、石毛宏典、野村謙二郎…。プロで名をはせるOBが続々と来場すると、緊張の面持ちで出迎えた。これからスタート地点に立つ新人にとっては雲の上の存在ばかり。そんな中でもひときわ大きな背中を見つめながら、ピンと背筋を伸ばした。

 「打った瞬間、ホームランと分かるような打球というのは限られた選手にしか打てない。新井さんは打球が強いというか、飛距離がスゴイので…」

 「25番」の継承を球団から打診された良太が「兄の番号だから」と辞退したため、黄金のナンバーが巡ってきた。大学通算2本塁打ながら、05年に本塁打キングに輝いた貴浩は駒大のシンデレラスター。その向上心もあやかりたい。

 大先輩は広島へ移籍したが、江越は「いろいろと話を聞いてみたい。トレーニングをしてあんな体になりたい。新井さんのような打者になりたいですし、負けないように頑張りたい」とせん望のまなざしを向けた。「空に向かって打つ」-。16年前、新井貴浩はプロ入団時に本塁打をそんなふうに表現した。江越の視線は空のさらに上を向いている。

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