見タカ!岩田の粘り二回以降踏ん張った

 「日本シリーズ・第4戦、ソフトバンク5-2阪神」(29日、ヤフオク)

 128球目に魂を込めた。同点の七回、2死一、三塁。阪神・岩田は「抑えるしかない」と腹をくくった。カウント2-2から本多を124キロスラーブで空振り三振。雄叫びと同時に力強く両拳を握った。7回6安打2失点。ベンチに戻ると、指揮官から肩をたたかれ、労をねぎらわれた。

 「立ち上がりはバタついてしまいましたが、野手の皆さんが守ってくれたおかげで少ない失点で済みました。二回以降は修正できたと思います」

 初回は連勝中のソフトバンクの勢いにのみ込まれた。1番柳田に二塁打を許すと、明石の犠打を三塁へ野選。自らのミスでピンチを広げ1死満塁から松田に三遊間を破られた。

 このまま終わったら、昨年までと同じだ。日本シリーズの大舞台で、生まれ変わった姿を見せた。高めに浮いていたボールを低めに集め、ゴロアウトを重ねた。テンポのいい投球で、二回以降、七回まで0を並べた。

 1年で野球人生を好転させた。わずか2勝に終わった昨季はCSメンバーから外れ、11月には若手主体の秋季キャンプに参加した。今季は9勝を挙げ、CSファイナルSでも白星を挙げた。侍ジャパンにも5年ぶりに返り咲いた。

 試合後は「勝ちたかった」と厳しい表情を崩さなかった。それでも、役割は全うした。あとはチームの勝利を信じるだけだ。

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