和田監督、聖地マエケン撃破に自信満々
広島が巨人に敗れ、転がり込んできた2位の座。阪神・和田豊監督(52)が6日、11日から甲子園で開催されることになったCSファーストSで対戦する広島・前田撃破に自信をみなぎらせた。「各バッターのバットスイングが変わってきた」と、決戦を4日後に控えた打撃陣の急激な良化を強調。初戦先発が濃厚な難敵を打ち崩し、球団初のファーストS突破の礎とする。
台風18号が通り抜けた聖地に心地いい打球音が響く。目を閉じ、脳裏で空想しても、相手投手の顔がゆがむこと間違いなしの反発音。今季最終戦から5日。徐々に疲労が抜け、調子のバロメーターが右肩上がりに突入し始めたことを示す音の連鎖だった。
発信者が頼もしい。ラスト5試合で21打数1安打の打率・048と不振に苦しんだ上本。シーズン終盤には本来の打撃を取り戻せずにいたが、トップからインパクトまでの軌道、スピードが好調時に近づいてきた。
スイングスピードの復活は体の切れが呼んだ。球を捉えてからの腰の回り具合、バットのフォロースルー。当然、打球にも勢いと飛距離が生まれた。
そして、もう一人は梅野。9月25日のDeNA戦で先発したのを最後に出場機会のないままシーズンを終えた。スタメンを外された理由は配球面を含んだリードもあるだろうが、粗さが目立った打撃面も理由のひとつにあったはずだ。
あくまで打撃投手の球ではあるが、シーズン終盤に不得手としていた外角球を逆らわずに右中間へライナーを立て続けに運んだ。左足を弓のように引き、ボールへと向かう体勢が鋭い打球を生むリズム感を伴っていた。
「上本だけじゃないよ。大和も。各バッターの状態が上向きになってきてる。バットのスイングスピードが上がってきてるよね」と和田監督。144試合。常にケージ裏から各選手を見てきた指揮官だからこそ体感できた右肩上がりの曲線だ。
全体練習後、空路宮崎へ飛んだ。「マエケンはCSでも当たる投手だからね」と宿泊先のホテルで好敵手の投球に目を光らせた。対戦数はあるが、さらに付け入るスキはないのかと神経を張り巡らせた。
シーズン中の懸案だった6番は福留が復調した。「6番が良くなったら7番。7番が良くなったら8番ってなるだろ」。笑い飛ばした和田監督の顔に不安は見当たらなかった。これなら大丈夫。必ず打ちのめせる。虎将の自信は左翼席後方に広がった青空に似ていた。
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