岩貞が唯一の光や 自己最長7回2失点
「中日2-0阪神」(7日、ナゴド)
阪神は今季11度目の零敗で、今季初の同一カード3連戦3連敗を喫した。先発の岩貞祐太投手(23)は7回2失点と好投したが、打線の援護なく3敗目を喫した。この試合で得た収穫、反省は、次の登板に生かす。
終戦ムードが漂う中で、唯一の光だ。岩貞が自己最長7回を投げきり、5安打2失点。残りシーズン巻き返しへ期待を抱かせた。
「今日のゲームで唯一、そこが収穫だと思います。でもそれ以外は勝ちに結びついていないので、反省です」
立ち上がり、ルナの強烈な打球を背中に受けた。両膝に手をつくほどの痛みだったが、歯を食いしばる。いったんベンチで治療を受け、再びマウンドへ。平田を1球で遊飛に仕留めた。
二回、味方の失策と2本の安打で先制点を失った。打線の援護も得られないが、懸命に腕を振った。直球と変化球を投げ分け、六回まで追加点を許さなかった。
しかし、七回に若さが出た。2死二塁の場面で代打・谷。次打者の大島はそれまで3打数無安打に抑えていた。2人で1アウトを取ればいい場面だが、勝負を焦った。2ボール1ストライクからの4球目。スライダーが甘く入り、左中間をきれいに破られた。
中西投手コーチは「キャッチャーは分かっていたと思うが、岩貞がどれだけ分かっていたか。いろいろ勉強しないといけない」と指摘。岩貞本人も「自分のミスです。次回はなくせるようにしたいです」と悔しさをにじませた。
ルーキーだが、結果で満足しない。プロ初勝利した8月17日・DeNA戦。空振り三振を奪ってもマウンドで何度も首をかしげた。「逆球は怖いので。アウトは何でもうれしいですけど、前はできていたことなので(逆球でアウトを取ったことは)悔しい気持ちもあります」。プロで逆球の怖さを知った。だから、結果以上に、課程を大切にする。
プロ3敗目を喫したこの日も、収穫と反省をたっぷり得た。次回は初の中5日で13日・広島戦だ。マウンドへ上がるたびに、成長した姿を示していく。
