岩田ビジター初黒星…安定男7失点KO

 「ヤクルト7-6阪神」(6日、神宮)

 左翼線へ伸びた白球は無情にも白線の内側で弾んだ。二走のヤクルト・山田に続いて、一走の谷内も本塁を駆け抜ける。3‐3と同点の六回、1点を勝ち越され、なおも1死一、二塁。川端への8球目だった。高めのカットボールを逆方向へはじき返された。試合中盤から立ち直りの兆しを見せていた阪神・岩田が力尽きた。

 「打たれた球は全部高かった。同点に追いついてもらっただけに何とか粘りたかったのですが、粘りきることができませんでした。自分に腹が立ちます」

 5回1/3を投げ今季ワースト7失点。交代を告げられた岩田は珍しく、ベンチにグラブをたたきつけた。試合後も厳しい表情を崩さず、無念さをにじませた。

 2週連続で対戦したヤクルト打線。中西投手コーチが「今日はボールが高かった。序盤はかわそう、かわそうとしすぎたな。カットボール、ツーシーム、変化球が多かった」と指摘したように、高めを狙われた。二回は無死二塁から畠山に中前先制適時打を打たれ、2死後、谷内に痛恨の押し出し死球を献上。さらに、三回は真ん中に入った145キロ直球をバレンティンに左中間スタンドの中段まで運ばれた。

 無類の強さを誇ったビジターで今季初黒星。試合前まで5戦4勝、防御率1・42と圧倒的な成績を残していたが、阪神投手陣が同一リーグで最も苦手にするヤクルト打線にのみ込まれた。投手陣に疲れが見え始めている。これで7月30日のヤクルト戦から5試合連続の2桁被安打。前夜のメッセンジャーに続き岩田も11安打された。夏のロードが始まり、正念場を迎えた。

 岩田は次回13日・巨人戦に先発予定。2連敗となったが築き上げた信頼は揺るがない。本来の輝きを取り戻し伝統の一戦に臨む。

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