岩崎ホンマに凄いわ!家族の前で2勝目

 「中日0‐3阪神」(24日、ナゴド)

 頼れるルーキーだ。阪神のドラフト6位・岩崎優投手(22)=国士舘大=が先発し、7回無失点の好投でプロ2勝目を挙げた。中日にはこれで12回投げて無失点と、竜キラーの誕生を予感させる結果。チームは今季初のビジター3連戦勝ち越しで、3、4月の月間勝ち越しを決めた。

 緩急自在の投球術で幻惑した。プロ初勝利を飾った中日と2度目の対戦。効果的だったのは初披露した「カーブ」だ。141キロを計測した直球との球速差は42キロ。岩崎は新たな武器に自信を深めた。

 「ゲームでは今日初めて投げました。バッターにこういう球もあると感じさせられた。カウントを取れたので良かったです」

 窮地では果敢に打者の胸元を攻めた。1点の援護をもらった六回。荒木の右前打、ルナの四球で無死一、二塁のピンチを背負ったが、4番平田を内角137キロの直球で見逃し三振。「いいバッターは(内角を)突いていかないといけない。厳しく、厳しくという気持ちでした」。続く森野、和田も断ち、リードを守った。

 序盤は逆球もあったがきっちり修正した。7回5安打無失点で、防御率1・44はリーグ2位に浮上。1位の巨人・菅野に肉薄した。和田監督は「今日は岩崎。低めだけじゃなく両サイドのコントロールも良かった。緩急も使えていた」と褒めたたえた。

 腕が遅れて出る独特のフォームを支えるのは、強じんな下半身だ。プロ入りしてから体重は12キロアップ。入団当初は78キロだったが、1月の新人合同自主トレに向けて「減ると思ったので増やしていきました」と81キロで入寮した。日々の食事とウエートトレーニングで現在は90キロまで増えた。

 「自分でもびっくりしています。大学の時は食べる量が限られていたけど、今はいっぱい食べられる。ウエートの量も大学時代より増えました」。慣れないプロの環境が岩崎の進化を加速させている。

 準備も整えていた。ナゴヤドームのマウンドはもちろん初めて。「マウンドやバッターの特徴を聞いたりしています」と頼りにするのは2年目の藤浪だ。本番では「聞いていたのでビックリしなかったです」と自身の投球に集中できた。

 ドラ6ルーキーが早くも2勝目。「1つでも多く積み重ねられるように頑張りたい」。物静かな左腕は控えめに勝利をかみしめた。

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