“新神様”関本サヨナラ打!虎G3連倒

 「阪神2-1巨人」(13日、甲子園)

 頼れる男が今季初の延長戦に終止符を打った。十回2死満塁で、代打の阪神・関本賢太郎内野手(35)が左前にサヨナラ打を放った。今季2度目のサヨナラ勝ちで5連勝。4年ぶりとなる甲子園での巨人3連戦3連勝で、2位に浮上した。15日から、1ゲーム差に迫った首位・広島と直接対決。この勢いで一気に首位に立つ。

 一振りで決める。迷いはなかった。覚悟を決めた渾身のスイング。はじき返した白球は黒土で弾み、芝生へと転がった。右拳を突き上げる。祝福のウオーターシャワーが降り注ぐ。関本が今季最多の観衆4万6256人を歓喜へ導いた。

 お立ち台に上がっても興奮が収まらない。「サイコーです!!みんながつないでくれたチャンスだったので、何でもいったろうと思った。簡単に勝たせてくれる相手ではないので、自分のところで決められてよかった」。経験豊富な35歳が早口で声をうわずらせた。

 延長十回2死満塁。11年以来、安打を放っていない山口に対して「必死のパッチで打席に入った。延長で引き分けは、いらないと思っていた」。初球。真ん中低めの142キロをたたいた。低いゴロが三遊間を破る。自身6度目のサヨナラ打で、チームを今季初の5連勝へ導いた。

 今年に懸ける決意が結果に表れた。11年に100試合に出場して以降、12年は91試合、13年は56試合の出場にとどまった。代打に甘んじるつもりはない。それでも若手が台頭する中で、出番は減っていった。

 現状を打破するためには、変わるしかなかった。昨オフ。自主トレを行う都内のトレーニング施設で、数日をかけてトレーナー指導の下、トレーニング動作を撮影。その動画は自宅に持ち帰り、必要な動きを抜粋して編集した。

 さらに行ったトレーニングはメモして、トレーナーに提出。担当トレーナーが「あそこまで細かくしたのは初めてですね。期する思いを感じました」と驚くほど、これまでとは意識が違った。

 春季キャンプでは投手との間合いを計りやすい打撃フォームに改造。生え抜き野手で最年長のベテランは、自らを見つめ直して18年目に臨んでいた。

 巨人を3タテし、最高の形で2位に浮上した。「必ず勝たないといけない相手。次の巨人戦が大切になる」。関本、健在‐。新・代打の神様が、宿敵に存在感を示したことに大きな意義がある。

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