掛布DC、MVPに「小掛布」今成

 「練習試合、DeNA5‐4阪神」(16日、宜野湾)

 阪神・掛布雅之DC(58)が練習試合を視察。自身が指導した第3クールの4日間を総括した上で、MVPに今成亮太捕手(26)と森田一成内野手(24)の名前を挙げた。「小掛布」と命名したまな弟子はこの日も2安打を放ったが、「もっと雑に打て!」と意外な指令を残して沖縄を後にした。

 今成の名前が挙がると自然に目尻が下がった。確かな進化を実戦3試合で見せてくれた。三塁の定位置を奪うだけの力を見せ、小掛布と称した事実に恥じないだけの打力。DeNA戦後に帰阪した掛布DCは「MVPを挙げるとすれば、今成と森田だな」と声を弾ませる。

 ミスタータイガースが目を奪われたのは一回の第1打席。追い込まれながらも内角直球を力強く振り抜くと、打球は痛烈に一塁線を破った。打球のスピード、荒々しさは若虎の中でも群を抜く。第3打席では外角直球をきれいに左前へはじき返したが、掛布DCは今成の打撃にある“課題”を与えた。

 「彼はちょっと丁寧に打とうとするところがある。目とボールの距離が近い。すると内角のボールにうまくバットが走らない」。天性のバットコントロールは昨年から高評価を得ていた。その一方できれいに打ちすぎることが、9月に不調に陥った原因でもあった。

 だからこそ「言葉は悪いけど、もっと雑に打ってほしい。一塁線のヒットはまさに理想的な形だったよね」。たとえ強引でも、強い打球を打てる力がある。対応できるだけの柔らかさがある。今成の打撃を認めているからこそ、MVPに挙げ、より高いレベルを求めるのは自然な流れだ。

 14日のサムスン戦で左翼席への一発を含む3安打を放ち、翌日の紅白戦も決して内容は悪くなかった。文句なしのMVPに本人は「トロフィーをもらえないですかね。気にかけていただいてるので、結果で返したい思いはある」と納得の表情を浮かべる。

 昨年11月から同じ左打ちの三塁手として目をかけてきた今成の成長‐。確かな収穫を手に、掛布DCは再び安芸で若虎の育成に力を注ぐ。

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